頭の中のさまざまのこと

すきなこと、考えていること

石田ショーキチ年忘れライブに参加した話

2023年12月23日、町田ノイズにて開催された石田ショーキチ年忘れライブに参加した。

 

 

今までましゃ*1しか推してこなかった私は今でもびっくりするんだけど、ショーキチさんのライブは小規模なカフェ&イベントスペースみたいなところで開催されることが多く(マジで本人との物理的距離がめっちゃ近い)、その場合大抵購入はぴあなどのチケットサイトではなく、先着メール受付になる。特にノイズでは整理番号も無く、まさかの先着順での入場*2。そのため、今回の私みたいに「まあ開場30分前に町田駅に着けばええやろ」とたかを括ったばかりにそれを見越してダラダラしてふつうに遅刻し、開場時間ぴったりくらいに現地着となると、入場待機列がなかなかの長さになっているのである。うーん、怠惰。でもこの場にいられるならそれだけで良し。

あちこちで交わされるファン仲間たちの挨拶を眺めつつ、入場。受付してくださるマネージャーさんの手元には、参加者の氏名と備考が手書きされた紙が数枚、あとは小さな金庫と筆記用具。完全に小劇場の受付すぎて毎回ふふってなる。何なら小劇場受付のほうがまだデジタル化されている。これ個人情報覗き込み放題だから本当はよくないと思いつつ、結局アナログがシンプルだし楽なんだよな。難しいところです。お釣りのないようにチケット代を払い、毎回ギチギチにいっぱい作ってくれている席に場所を見つけて座る。今回は下手(しもて)、真横。

 

私のすぐ左をゼロ距離で通ってショーキチさんがぬるりと入場。伸ばし続けている髪を後ろでひとつにまとめて、つばのあるハットを被っている。半袖だったけど、「ここに座ると寒いな」と言ってすぐ上着を取りに行っていた。13時開演だけど冬だからね。ご挨拶のあと6弦ギターを鳴らして、自身がプロデュースしている地元ガールズコーラスグループ、まちだガールズ・クワイアに提供したWinter love。サビのLaの高音を危なげなく零されて悶絶。ショーキチさんのファルセットだ〜い好き。ゆらゆらと身を任せているうちに、MOTORWORKSステレオ・ラヴ!!ショーキチさんがメインボーカルをとっている曲。シンセ無しでも聴かせる厚みで、最上段のレベルで光るラヴが君に届きすぎで良すぎ。oh my baby can you hear me? の歌詞をoh no と歌っていて、「いま」のショーキチさんが歌っているんだと感じてすごくよかった。からの続けてデビューユニットSpiral LifeLET ME BE。神セトリ確定。この曲すごく好きだから嬉しかった!解散したユニット(バンド)の曲を今でも演奏してくれると、本人にとって黒歴史じゃないんだと思えて勝手にほっとする。

ここ最近忙しすぎて練習の時間が取れなかったと嘆くショーキチさんに、このクオリティーでそれは嘘やろの空気が客席に流れる。お金と時間を取るならそれなりのクオリティーを担保しろやの意見は正義なんだけど、ショーキチさんは結局ちゃんとやってくれるのであまり心配していない。ぬるっと復活したScudelia ElectroMY OLDEST NUMBER、そしてビートルズの新譜の話になった。私はビートルズを履修していないので共感はできなかったけど、ひどく感動したらしくてよかったね〜と思った。明るい面を押し出してきたのが嬉しかったみたい。ほんとは今もう俺たちでもジョンの音声だけ抜き出したりとかできるんだけどね……やらないけど……と言いつつ、それでカバーを2曲やってくれた。そのあと、「なんか(俺に)やらせたい曲あります?」と急にリクエストを募って、お客さんから1曲声が上がったのに、「はいではまた今度ということで……」みたいなことを言ってひと笑いとっていた。こういう時何も言えないタイプだから、ちゃんと伝えられる人ほんと尊敬する。「今日のために持ってきた曲があるから、それをやったあとリクエスト(の曲を)やります。この曲を弾き語りでやってる人見たことないから、世界初かもしれない。小学4年で初めて買ったレコードの曲。小学4年だよ?クソませてるよね」と笑いながら、Night Fever。この曲は個人的に、幼少期に狂ったように毎年クリスマスの時期に観ていた伝説の番組「ミッキー&舞ちゃんの魔法のクリスマス」で登場した曲として深く心に刻まれているので、聴いている最中ずっと頭の中でミッキーが踊っていた。

5:00過ぎくらいから流れます

Night Fever演奏のようす

このあと、リクエストの静かの海をやって前半が終了。ライブであんまり聴いたことないから嬉しかった!リクエストしてくださったかたありがとうございました。

 

後半、ショーキチさんが新しく結成した、アコースティックギターボーカル3人組グループThree Taller Hatsが登場。なんとショーキチさんはお着替えをしていた。キューバからやってきました!の設定で、全員開襟半袖シャツにハットのスタイル。今まで組んだユニットやバンドの中でいちばん音量が小さくて、アンプ*3を通して音出すと大きくてびっくりするらしい。ほかは全部爆音なのか?経験ないからわからないんだよな。去年のクリスマスライブのtrioはほぼアンプラグドだったし。爆音浴びさせてくれよお!

そんな笑いをとりつつ、まちだガールズ・クワイアの新しいカバーアルバムで歌わせたから背中を見せるとかなんとか言い、THE BEACH BOYSを2曲やってくれた。全員コーラスうま男(お)。ショーキチさんは普段iPadコード譜を見てるだけなのに、グループ3人に譜割りをするにあたりたぶんめちゃくちゃ編集?編曲?をしたみたいで、ガチの譜面を譜面台いっぱいに広げていて、普段との差に思わず笑った。私の側にいたアキラ・ウィルソンさんの左足がリズムに合わせてぴょこぴょこ跳ねていて可愛かった。手拍子も煽ってくれて優しい。エルトン・ジュンさんが新調したというシグネチャーモデルのアコースティックギターはボディも音もきらきらしていた!

I Get Around演奏のようす

Wouldn't It Be Nice

演奏後、クワイアのメンバーが3人来場していることに触れて、「何か言われそうだな、"今のところ違いましたよね"とか」と言いつつ、Three Taller Hatsとしての出番を終えたあとにクワイアに飛び入りでステージに立ってもらい、We Wish You a Merry Christmas荒野の果てにをピアノ伴奏してくれた。前者はクワイアのメンバーたちが歌い始めた直後に「ごめん!キー違ったね」と中断して、#(シャープ)ひとつでテイク2。ショーキチさんはデビュー当時からコーラスに一家言あるミュージシャンだっただけあり、見事に鍛えられたとても綺麗なコーラスだった。このような宗教色のある歌の荘厳さというのは、コーラスが一役買っているのだろうなと思う。後者を歌う前は「シャープ2個です!」とクワイア側から申告があり、「了解!」と返す場面があった。あ〜普段からこうやって一緒にお仕事をしてるんだな、という新たな一面を垣間見てしまい謎の照れが襲う。

We Wish You a Merry Christmas

2曲のあとで、ショーキチさんが伴奏で参加する次のクワイアのライブの告知があって、カンニングペーパーもなくすらすらと日時や告知の文句が出てきていてすご……と感心していたら、11時開演というワードをショーキチさんが拾って、「え!?そんなに早いの!?じゃあ、(現場に)何時入り!?」「早朝です!」「え〜〜〜〜……!?……聞いてないよ……なんか冷めちゃったな……」とマジ萎えしており、申し訳ないけれど笑った。

そのあとはずっと好きでScudeliaでカバーもしているStrawberry SwitchbladeSince Yesterday。ちょっと端折っていたけど相変わらずピアノとの相性が良すぎて何度聴いても気持ちいい。MYTHS OR PHYSICS?も大好きでとても嬉しかった。メロディーが全部ツボなんだけど、特に「世界中の瞳がゆっくり目覚める朝」と、サビの「総ての人の望みを適えて」が最高。頭の中でうっすら再生するCD音源と寸分違わぬ音程と、それよりは少し低くなった、けれど伸びやかな歌声が目の前で生まれていく、その横顔を夢心地で見ていた。

本編最後は、Thank You, Baby。デビューから30年も音楽をやれていること、大事なバンドが2つも再び動き出せたこと、ここ10〜15年くらいで横のつながりがたくさんできたこと、全部に感謝する締めくくりの歌だった。Spiral Life時代はL⇔R*4くらいしか一緒に音楽やれる友達がいなかったらしい。失礼だけどショーキチさんも車谷くんも、Spiral Lifeも友達少なそうだもんな。けれど今でもふたりとも音楽を続けていて、つながりを保っている友達も、新しくできた友達もいて良かったね……と謎目線の感動と共に聴いていた。しっとり終わるかと思いきや、次にかき鳴らされたのはMOTORWORKSの真髄、(Love Is Like A) Heat Wave!思わず歌いそうになるのをめちゃくちゃ我慢した。エレキですらないギター1本で大盛り上がり。まさにmy blood pressure got a hold on meだよ!

 

退場していくショーキチさんを追いかけるようにすぐに始まる、アンコールの手拍子。間もなくThree Taller Hatsが出てきてくれて、Happy Xmas(War Is Over)。実際は終わっていなくて、今この瞬間も誰かが殺されている戦争があるのに、安全なあたたかい部屋で音楽を聴いていることの後ろめたさを感じずにはいられなかった。SNSで停戦の署名はもちろんしているけど、たぶんほかにもできることがあるんだと思う。考えなくてはいけない。ダブルアンコールはひとりで残って、「MOTORWORKSThe Endをやろうと思っていたけど、湿っぽくなるからやめます」と言ってSATURDAY NIGHTをやってくれた。明るく打ち出してくれようとする心がとても嬉しかった。サビの「SATURDAY NIGHT」のフレーズを急に歌わされて客席がわたわたしたけど、ショーキチさんがコーラスしてくれてなんとかなった。一緒に歌えたの嬉しいうれしい!素敵なプレゼントだった。

 

30周年記念ライブは全日程チケットバトル敗北して残念だったけど、ショーキチさんにとってたいへん実りある日々になったみたいで本当によかった。お客さんたちがグッズいっぱい買ったので会社も持ち直したらしい。今後も買います。2024年もその先も、ずっと健康で長生きしてほしい。もうそれしか望むべくもない。

f:id:gizmooooo:20231231093643j:image

 

 

 

有志の記憶を頼りに作成。Three Taller HatsがやったThe HappeningsのWhen Summer Is Through が配信してなくて涙。あとBEATLESカバーってこれだったっけ?まあいいや、楽しんで!

 

 

 

 

*1:福山雅治のこと

*2:ただし、キャンセル待ちや立見枠で参加の人は、通常枠のお客さんたちが全員入場したあとに入ることになる

*3:エレキギターエレキベースをつなぐスピーカーのこと

*4:えるあーる。Spiral Lifeのレーベルメイトだったバンド