頭の中のさまざまのこと

すきなこと、考えていること

LITE/ZAZEN BOYSのライブに行った話

2023年11月3日、ライブハウス新宿MARZにて開催された『Crushing』に参加した。LITE(ライト)とZAZEN BOYS(ザゼンボーイズ)の対バンだった。

 

一般発売で滑り込み購入したチケットだったので、整理番号は90番台だった。MARZのキャパシティは約300人で、公演は満員御礼とのことだったから、わりと早めの番号と言えるだろう。会場内のロッカーは少ないそうなので、どこにも何も預けない前提で、サコッシュに最低限のものだけ入れて身ひとつで行った。

すっかり日が落ちたあとで街を行くのは夜遊びみたいでドキドキする。番号が呼ばれるまで外で待機していると、周りの参加者同士で挨拶やら会話やらが始まって、ああライブ仲間なんだなと思った。世の中にはあるらしいじゃないですかそういうのが。私には今のところいませんけれども。それでもそれはとってもいいことだなと思いながら夜風に吹かれていた。いろんなところでいろんなふうな繋がりを持つのはたぶんいいことだと思う。待たされながら、東京スカパラダイスオーケストラの『銀河と迷路』をちょっと思い出した。

待たされて見てた冴え渡る空の月  青い迷路  照らし出して

 

対バンの時は、たぶんどちらのバンドのお客さんなのかデータをとるために、受付で「今日のお目当ては(どちらのバンドですか)?」と質問される。私は迷った末に「LITEです」と答えた。はじめて観るから本当に楽しみにしていた。ZAZENがかっこいいのは過去にCDJ*1で脳天に一撃くらって知っているので。受付の方はドリンク代を受け取ってチケットをもぎって、記念ですと言ってピクチャーチケットをくれて優しかった。うれしい〜!ちなみに後ろのお客さんはお目当て質問に「両方です」と答えていて、そういうのもあるのか……と井之頭五郎*2になった。

 

オレンジジュース片手に意外とすんなり前方エリアに潜り込めた。ソウルメイトおすすめの下手側(客席からステージを見たとき、左の側)、スピーカーの前。すぐ目の前でプレイが見られるぞ!と喜んだものの、このあとすぐに後悔するはめになった。

というのも、スピーカーのそばは爆音すぎるという当たりまえ現象が起きたからである。ZAZENのメンバーが出てきてくれて演奏が始まった瞬間に「あ、これはまずいな」と思ったものの、身長的にはそこがベストポジションだったのでよそへ移ることはできなかった。音ぜんぶかっこよくて最高だけど、this is 向井秀徳*3が歌うたびにスピーカーから音が壁みたいに迫ってきて私の頭蓋骨がゆれる、血が血管ごと痺れる。しかも彼らはMCをほぼやらない。「マツリスタジオからやって参りました、ZAZEN BOYS」は5回くらい言ってたけど。主宰のLITEへのお礼も言ってたけど。たぶんあと1曲浴びてたら吐いてた。音で攻撃するタイプの敵のエグさを実感できて勉強になった。本日の学び:音量は本当に人にダメージを与えることができる。

そういうわけでへろへろになりながらもZAZENのステージはとても楽しかった!変なタイミングで止まったり始まったりする音を完全に支配下に置いて、金属と窒素のふるえで音楽をやっちゃうバンド、最高すぎるよな。それにしても絶妙なサイズ感の白シャツを着こなしてテレキャスターを弾くthis is 向井秀徳、かっこよすぎだろ。私も歳をとったら、ああいうグレイヘアと眼鏡でテレキャスターで遊ぶのをやりたい。そう、this is 向井秀徳ってテレキャスター使いなんだよな。私もそうだよ!仲間だね!あとベースも本当に良すぎ。全身で鳴らしてる感すごくて、あんな音と一緒に演奏できたらきっと楽しいだろうなと思った。新曲も2曲やってくれて、とても好きな感じのやつだった。新しいアルバムに収録されるみたいだから楽しみ。調べたらアルバム発売は12年ぶりなんだね。ましゃ(福山雅治)には6年8ヶ月待たされたウケる過去があるんだけど、上には上がいたってわけ。元気が出ちゃうね。

「バラクーダ」と「チャイコフスキーでよろしく」を演奏してくれた

 

転換。私の前に立って楽しんでいたお客さんは、「スピーカーやばいわ。こっちの耳聞こえない」と笑って、反対側の耳だけでライブ仲間たちと会話をしていた。すな。病院へ行け。と言いつつ私も満身創痍だったので、取り急ぎ音楽聴く用のイヤホンを装着した。専用の耳栓を購入を検討すべきかも。

次はLITE。ソウルメイトから教えてもらったバンドで、聴いてはいたけどお顔とか人数も何も知らなかった。ベースの人が途中でマラカスみたいなやつをシャカシャカやっててよかった。ギターの人もシンセ弾いたりしてて、このバンド……器用すぎる。ギターボーカルの人は「今日来た人はさ、変拍子だいすきだろ。おれもだいすきなんだ。ZAZENの変拍子の血が流れてるからさ」と嬉しそうにしていてかなりよかった。

ギターボーカルの人「今日は大事なお知らせがふたつあります」

ギターシンセの人「はい先生」

ギターボーカルの人「ひとつ。1月にフルアルバムが出ます」

お客さんたち「フゥ〜〜〜!!」

ギターボーカルの人「ふたつ。2月、LIQUID*4でワンマンやります」

お客さんたち「フゥ〜〜〜!!」

ベースの人「いま言いたくなっちゃったから言うけど、アルバムの話が出たけど、まだ全部できてないから。だからいま発表したの勇気要ったと思うよ」

え???いま11月ですけど?????衝撃の事実を発表したあと、「(完成させることを)公約(にします)ってことで。公約だから頑張るから!」で締めてて笑っちゃった。初日が先に決まってるから何が何でもなんとかせざるを得ない追い込みスタイル、展示会設営日2週間前の私じゃん。一気に親近感わいた。同じクラスにいたら絶対話しかけないタイプだなとか思ってごめん。何らかのきっかけで意気投合したいよ。

ところでギターボーカルと書いたけど実はLITEはインストゥメンタル*5バンドで、でもたまに歌もうたう感じでややこしくて、本人も「次の曲はいちばん歌が多くて……インストバンドって何だろうっていう……」と途中自虐しつつたくさん演奏してくれて嬉しかったし、シンプルに楽しかった。音が良すぎ。揺れるの楽しすぎ。絶対好きになれると思ってチケット取ってよかった。あと演奏中にスタッフさんが写真撮影でうろついててよかった。SNSや公式サイトに写真を載せるのは大事です。

 

終演後、LITEとZAZEN BOYSが両方出てきてセッションか挨拶かするかなと思ってたらどちらもなくて爆笑した。LITEはアルバム作らないといけないもんな。解散、解散!私も夜の新宿をあとにした。とっても楽しい夜をどうもありがとうございました!

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*1:カウントダウンジャパンの略。毎年末に日本で行われる、冬の大規模室内音楽フェス

*2:ドラマ化もされた人気マンガ『孤独のグルメ』の主人公。外食をする時、お店にいるほかのお客さんの注文内容に聞き耳を立てて、このせりふをモノローグで言うことがある

*3:日本のロックバンドZAZEN BOYSのギターボーカル、むかいしゅうとく。ライブ中のMCでこう名乗るので、私もこれで呼んでいる

*4:東京・恵比寿にあるLIQUIDROOMという名前のライブハウスのこと

*5:歌詞がない曲のこと