頭の中のさまざまのこと

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福山☆冬の大感謝祭 其の二十一 “LIVE A LIVE”に参加した話

2023年12月31日と2024年1月1日の2日間、ましゃ(福山雅治の公式あだ名)の恒例年末ライブ、『福山☆冬の大感謝祭  其の二十一  "LIVE A LIVE"』に参加した。

 

もくじ

 

はじめに

ましゃのライブでは長らく転売対策として、全席種同一料金・当日の入場時に初めて座席がわかる、というスタイルをとってきたが、今回は初めて、「最前列確定席」「アリーナ席」「スタンド席」の3種類の券種での販売が行われた。私は身長155センチなので、アリーナで"前の人ガチャ"を引く勇気はなく、2日分ともおとなしくスタンド席に抽選申込をして当選した。もちろん最前列席も狙ったが、当然、外れた。殿(しんがり)を温め続けて15年*1なので、全然気にしてないです。

会場は横浜のKアリーナ。23年7月末の竣工以来、終演後の退場にめちゃくちゃ時間がかかることで有名になってしまった、新しいコンサート施設だ。

 

2023年12月31日

今年も翌1月1日にライブがあり、さらに今夜の紅白歌合戦に生出演する都合から、15時開演である。途中の自販機で水を買いつつみなとみらい線新高島駅で下車、臨港パーク方面出口から出て、アンパンマンミュージアムを通り過ぎて到着。雨予報だったけど晴れていた。さすが台風ふたつの進路を曲げて退けた実績のある晴れ男。ありがとうございます。

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湯川先生、ここがKアリーナだよ。楽しみだね

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LAKAのフルーティーグラムティント 101 Joyfulを衝動買いしたので使った。男性モデルも起用しているジェンダーニュートラルなブランド。めっちゃかわいい色!推しに会うのにコスメを新調する私もかわいすぎる

入場ゲートは最前列確定席だけ別になっていた気がする。何人か、入口にかなり近づいてから電子チケットを表示させようとして、電波状況などでうまくいかず、係員さんの前で端に寄って慌てて対応しているように見えたので、早い段階で準備をしておいたほうがよさそう。係員さんにチケット表示画面を提示して、チケット使用済みに操作してもらい、軽く手荷物検査を受けて、今度やるライブ映画のフライヤーをもらい(クリアファイル持参を推奨していたファンの方々ありがとうございました!)、ましゃ仕様の特別パッケージのキューピーマヨネーズ*2をお土産に受け取る。

スタンド席は、下から、LEVEL3、5、そして7が最上位置になる。私はLEVEL5だった。5のロビーにはエスカレーターで行けるが、そこから7に行くには階段しかないようだった。あと、5にはお手洗いが無い*3。信じられるか?そして前後左右の座席間の間隔がかなり狭い。上着を席の背にかけることはほぼ無理。着席後は大きく身じろぎしにくいので、客席に向かう時にコートなどはもう脱いでおいたほうがいい。前の座席の背にはドリンクホルダーがある。

眼鏡は忘れたら一生後悔するので、自宅から掛けてきた。あとの持ち物は、過去のグッズタオル、ライトバングル。バングルは事前にボタン電池交換と点灯テスト済。開演直前に電源を入れておいた。

ステージ構成はシンプルだった。正面にメインステージがあり、そこからコの字型に花道が作られている。コの字の内側にも客席がある。花道の角と中央はパフォーマンススペースになっていた。客席はステージに対して正面にしかなく、急勾配のすり鉢状に作られている。ステージバックがないので、音はかなり良さそう。席の傾斜もかなりついているので、前の席の人が立ち上がったりしない限りは、ステージもきちんと見えそうに思えた。

バングルを意味もなくさわりながら、ドキドキで待つ。かなりステージが近く見える。約2万人収容と聞いて塩治*4を覚悟していたけど、そんなことはなさそうで嬉しい誤算だった。

 

たぶんほぼ定刻で開演。客入れSEの雰囲気が変わり、客電がゆっくりと落ちる。暗いステージ上に、一定のリズムで揺れるライトバングルのペアがぽつぽつと現れる。バンドメンバーたちがバングルを嵌めて、両手で手拍子を煽っているのだ。アリーナもスタンドも、客席が色とりどりの光で満ちて、手拍子の音とともに一斉に揺れ始める。

予感がピークに達した時、ステージの中央にスポットライトが当たる。その白の中に立つましゃは、赤いセットアップのスーツを着て、高々と手を掲げていた。かっこよすぎ。大歓声をそのままに1曲目、。歌がうますぎる。福山雅治でもこれ以上歌がうまくなることあるんだ……と1曲目で呆然としてしまった。バスドラ*5のキックがめちゃくちゃズシンと響いてくる。盛り上がるところで伸びていく声量、声めちゃくちゃよく出てる。音響良すぎる!うれしい!比較的新しい楽曲だけど、サビの手拍子のリズムはもうほぼ定着しているので、爆音で手を鳴らした。ここで珍しくコーラス隊がいないことに気づいてびっくりした。それはともかく、バックスクリーンに映る大きな笑顔が本当に素敵。この顔を見るために毎日したくもない労働をしてクソしょうもない額の金を稼いできたわけですよ。

次の零 -ZERO- は、アニメ名探偵コナンの映画主題歌だった曲で、メインキャラクターの安室くんのことをよく研究して制作したために、安室くんファンがとても喜んで配信で曲をいっぱい買ってくれて、「壁サーの福山先生の新刊*6」とまで呼んでくれた嬉しい歌。アップテンポのラテン系サウンドで、めちゃくちゃライブ映えするので好きな楽曲なんだけど、スクリーンにでっかく"無"って出るの面白すぎて笑いそうになった。サビで早いテンポで手拍子するのはいつも楽しい。落ちサビ前の間奏でギターの今ちゃん*7おぐちゃん*8の指がバラバラバラッとなるのが超かっこいい。ホーンセクショントリオのかっこよさも言うまでもない。

零 -ZERO-

続くCherryは、チェリー色のギターのことを歌った、大好きな曲のひとつ!ましゃ含めたギタリスト3人がバチバチにギターバトルを楽しむので私も楽しい。そういうのはなんぼあってもいいですからね。ましゃが花道中央、今ちゃんが下手側、おぐちゃんが上手側で弾いてくれた。全員赤いセミアコ*9を使っているように見えた。今ちゃんは花道のパフォーマンススペースに向かうにあたって、ちょこちょこと小走りしてたんだけど、おぐちゃんは慣れたもので、ゆっくり時間をかけながら余裕で到着していて、ふたりの違いが面白かった。今ちゃんのソロかっこよすぎる〜〜!!なんで今ちゃんが弾くと音が全く減衰しないの?こわい!大好き!「フロント*10ならウーマン・トーン  リア*11になればクールビューティー」の歌詞のところでましゃは実際にピックアップセレクタ*12をさわっていて、芸が細かくて感心した。

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赤いセミアコ。ボディ右下にある4つのボタンのようなものは「コントロール」というツマミで、フロントとリア、それぞれのボリュームやトーン(音色)を変えられる。上2つのコントロールの間を通るように伸びている、菱形の下部を引き延ばしたような黒い模様は、「サウンドホール」と呼ばれる穴で、ボディの空洞によって増幅された音があそこから出てくる。穴の形がアルファベットのF(f)に似ているため、Fホールともいう。左右対照に施されており、よく見るとましゃの腕の下に、左右反転された同じ意匠があるのがわかる

Cherry

MC。「今日はこのあと紅白(歌合戦)がありますけど、だからって温存したりしませんよ。むしろ紅白のための元気をもらっていいですか」と煽られ、拍手喝采。また、最新シングル想望がweekly一等賞を獲ったことに触れてお礼を言っていた。それに絡めて、音楽のキャリアで初めて一等賞をもらった93年発売の5枚目のアルバム『Calling』の収録曲をセットリストに入れていることが発表され、大いに沸いた。『Calling』は名盤で、大好きなアルバムのひとつだ。

「約束します。30年前より、今日のほうがイイです。それは僕だけじゃなく、30年前よりも、あなたが今日、イイからです!」

とましゃは言い、観客を信じてくれた。そこから収録順に4曲連続で披露された、タイトル曲CallingAll My LovingMoon言い出せなくて…はそれはもう楽しかった。Callingの「話さなきゃならないことが僕らはたくさんあるんだ  怒りと誇りと欲望  失いたくはないから」「誰にも言えないイタミが僕らはたくさんあるんだ  それだけ強さと優しさ  そう  知っていると信じたい」の歌詞はそれはマジでそうだし、All My Lovingサビ前のHey hey!を2回やるライブアレンジは最高に楽しい。Moonは本当に大好きな曲で、ハーモニカ付き(演奏:ましゃ)で聴けて嬉しかった。照明がシンプルになって、斜めから当たるスポットライトで影が伸びて、背景には三日月、曲が終わる頃には満月になっている演出がにくい。ゆったりとした山ちゃん*13のドラムが美しい。落ちサビ前の「新しい力をつかんで」の「あ」がざらりとした質感で発音されるのが最高。高水さん*14のベース最高!言い出せなくて…はひたすらかわいい。スクリーンに映る手書き風の雨が曲とよく合っていた。最後「好きだよ」でましゃのかわいい笑顔が大写しになるところがマジで理解ってる。私もましゃが好きだよ。

All My Loving

後のヒットバラードへの萌芽となるような1曲、と紹介ビデオが流れて32年ぶりに披露された1991年のクリスマスソングは正直私も存在をほぼ忘れていた。ビデオの中には、レコーディングでがむしゃらに吠えたり、作曲家作詞家とのコンペに勝とうとアコギをかき鳴らす若かりし頃のましゃがいた。91年は私が生まれた年でもある。私とましゃの年齢差が可視化されて感慨深かった。かなり久しぶりに聴いたけど、いい曲ですね。ちなみにその32年前の東名阪ツアーに参加した先輩たちも何人か客席にいて、ましゃに「ありがとうございます、慧眼です。難しい言葉ですけど。つまり、お目が高い!」と感謝されまくっていた。私も32年後に挙手できるように健康でいたい。

家族になろうよ〜Winter ver. はあんまり好みじゃないので無になって聴いていた。健全な家庭で育ったシスヘテロ*15向けって感じ。私はこの歌の中にいられない。でもシスヘテロ向けの歌がつくられることが悪だとはもちろん思わないし、この歌を必要とする人に噛みつくつもりはない。これは嫌味でもなんでもなく、その人には幸せになってほしいし、ましゃにアライ*16になれと押しつけるつもりもない。世の中にはましゃじゃなくてもクィア*17なミュージシャンや楽曲はたくさんあるので。とはいえ、もしそうしてくれるならましゃのような知名度のある中年男性ミュージシャンがやることにこそ意味があると思うし、ましゃにはせめて、法的に"家族になる"ことができない、子どもを持てない人たちが日本には、そしてこの曲が演奏される場所にはいるのだということだけは知っていてほしいなと思う。

最愛ヒトツボシはどちらも映画ガリレオの歌で、私は最愛がより好き。一輝もそうだそうだと言っています。一輝はこの曲を聴くと毎回泣いちゃうから、もし今日関係者席にいたら泣いてると思う。一輝泣かないで。

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映画の番宣で「最愛」を弾き語りするましゃを""マジ""に見つめ、ガチ泣きする北村一輝。このあと弾き終えたましゃは「か、一輝ちゃん!」と笑いながら慰めていた

最愛

ヒトツボシ

一転、明るいMELODYからのMessageMessageかわいくて大好き。サビがすごくかわいい。「全然僕はダメだよ」のところが特にかわいい。ついてくるカメラにめちゃくちゃ近づいてニコニコしてくれて、ほぼ目や頬しか映っていない瞬間もあった。2万人が観る巨大モニターに耐える54歳の肌、基礎化粧品なに使ってんの?

MELODY

Message

次の曲に入る前に、複数の曲の歌詞がサンプリングされたメッセージがモニターに次々と表示されたので、たぶんここが日替わりセトリコーナーなんだろうなと思った。内容からして、ラインナップはMarcy's SongPopstarステージの魔物とみた。そしたらMarcy's SongPopstarが続けて披露された。どちらも『大衆に求められる"福山雅治"』をやり続けることを暗に歌った、つよつよメンタルの曲。レーザービームもガンガン飛び交って、カネのかかったコンサートってやつが存分に楽しめる。ましゃはいつの間にか胸元にフリルがついたインナーの黒いドレスシャツはそのままに、襟にダークグレーのファーがついた、光沢のある革のような生地のロングコートを着ていて、これになった。

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ステージ衣装ご担当者さま変わりました?どなたですかこの最高のスタイリングをしてくれたのは?お礼が言いたすぎて終演後に公式に感想メッセージ送った。本当にありがとうございました。

Marcy's Songはアルバム『Calling』収録曲で、ここ数年たまにセトリ入りしている気がする。今はこういうテイストの曲はあんまり作られないんだけど、私は好きだから嬉しい。Popstarはましゃしか歌えないやつで強すぎて好き。「数え切れぬほどの称賛の声  時にそれ以上の悪意と中傷さえも楽しめてる私こそPopstar」「この顔とスタイルと特徴的な声が魅力って  あなたはそう言うけれど  それ本心?」とか。そうだよ、ましゃこそがPopstarだよ……でも「今夜も酒と睡眠薬をくれ」は嘘であってね……。

Popstar

次のはテレビドラマの主題歌だったやつ。アウトロでバイオリンの金原さん*18がキリッとした表情でフラメンコさながらに顔の真横で手拍子をやってくれてる様子がモニターに映って、いい人だな……と思った。金原さんは自分の演奏ターンじゃないときはいつもリズムに合わせてステップを踏んだりタオルぶん回したり手拍子したりして、観客をリードしてくれてとても優しい。そんな曲はなんだかやたらミュージカルっぽくて、もし観に行ったミュージカルの劇中歌にこの曲があったらサウンドトラック販売を熱望するだろうなと思った。ミュージカル劇伴のお仕事のオファーお待ちしてますので、関係者各位は楽曲確認お願いいたします。

本編最後の曲は想望だったんだけど、戦争反対の一言すら口にできない人の出征ソングはちょっと……と思ってキャンセルしました(曲はじまりと終わりで拍手しなかった)。あとバックスクリーンに燃え上がる町が映るので、大震災などのフラッシュバックのトリガーになってしまうような人は一瞬きつかったと思う。

演奏後、「ありがとう!」と言ってましゃがあっさり退場してしまい、あっもう本編終了なのねとここで気づいた。ここまで体感30分。短すぎる。絶対終わらせたくない。ましゃのライブでアンコールをおねだりする時は、客席でウェーブを起こす、という暗黙の流れがあるのだけど、これが年々うまくいかなくなってきており、今日もいまいちだった。だいたい、明文化されてもいない、既存ファンの間だけにある口伝の伝統みたいなものって、良い面も悪い面もあるよね。公式ファンクラブはあるけど、それはファンコミュニティを必ずしも意味しないし、ファン同士が連携を取れるようなシステムや組織がないのも、難しいところだと思う。

どうしたものかと思っていると、スクリーンとモニターに"MASHA!! BOM-BA-YE!!"の文字とムービーが流れだして、客席がすぐに反応してコールと手拍子が始まった。グッズTシャツに着替えたバンドメンバーたちが、手拍子しながらステージに再登場してくれて、ましゃも来てくれた。そして始まったのは当然炎のファイター〜Carry on the fighting spirit〜。ましゃがナレーションを務めた、アントニオ猪木さんのドキュメンタリー映画のテーマソング。もちろんましゃがアレンジと演奏を担当。猪木さんは、ましゃが百人町でバイトしていたピザ屋さんのオープン記念に駆けつけてくれた、ましゃが上京して初めて会った著名人だそうで、後々雑誌で対談するときに当時一緒に撮った写真を持参してサインしてもらった、という話をMCでしていた。有名なメロディーだし、ホーンセクション大活躍で楽しい!かなり盛り上がったけど、意外にもこれが今日唯一のインスト*19楽曲だった。私はましゃのインストが大好きなので、何曲でもセトリに入れてくれてOKだよ。

炎のファイター〜Carry on the fighting spirit〜

続いて、お客さんたちみんなで歌う所謂合唱曲として定着した明日の☆SHOW。かつて夢見た人生とは違う道をいま歩んでいても、そのことを否定するでも悲しむでもなく、ただポケットの中で小さく、でも確かに握り拳をつくるような歌。

ましゃは時々こういう『人生』の歌をつくる。『憧れ』という言葉が未だに歌詞によく登場するのは、それがましゃを形づくってきて、たぶん今も根幹に存在し続けているからだと思う。憧れや夢のとおりに生きられない人のほうが圧倒的に多いこの世界で、それでも目指せと発破をかけるでなく、それらを忘れられないまま生きて、でもやっぱり時々泣いちゃう、みたいなこの歌はとてもやさしい。なんとなく夕暮れの空が私は浮かんでくるんだけど、外はちょうど夕焼けか、夜になろうとする時間だったろうから、もしそんなことも計算していたとしたらかなりアツい選曲。サビでライトバングルをつけた手をみんなで揺らすのがとても気持ちいい。

明日の☆SHOW

ましゃのライブのアンコールは、バンドで2曲、そのあとにましゃひとりで1曲(ダブルアンコール)の流れがある。明日の☆SHOW演奏後にバンドメンバーたちとましゃがステージ前方に一列に並び、メンバー紹介が行われた。ドラムの山ちゃんとはこの時に「お〜〜〜〜〜〜〜〜〜い!!」の応酬をするのがお決まりの遊びなので、もちろんやった。長さや音程で遊ばれて、山ちゃんが楽しそうでかわいくて良かった。ライブ情報腹いせ無断早バレ野郎ことパーカッショニスト三沢またろうさんは、恒例のまたろうですネタ*20を振ってきたのでキャンセルしました。あとはみんなかわいかったので大満足です。あとましゃが「初日の出来は100%、今日は195%です!」とやたら刻んだ褒め方をしてきて笑った。これ明日200%になるやつだろ。

並んだままみんなで手をつないで、バンザイ三唱で締め。そのあといつもはバンドメンバーだけゆっくり帰るんだけど、「この後(紅白歌合戦の)寺尾聰さんのバック(演奏)をやる人いますよね。結構急ぎですよね」とましゃが言っていて、ウワ〜〜!となった。そういうこともあるのか。列の両端のまたろうさんと金原さんがスタッフから旗を手渡され、ましゃの促しですぐにメンバーたちを楽屋へ先導して捌けていった。ステージにひとりになったましゃは、

「つまびらかに説明しますと、このあと楽屋へ戻って、シャワーを浴びて、メイクとヘアセットを全部落として、眉毛も全部なくなって、車で渋谷に向かって……最初ヘリで行こうかとも思ったんだけどそこまでお金がなくて……これで1時間30分から40分くらい(かかる)か。で、着いたらまたメイクし直して、鍼とマッサージを受けて、何か食べないとお腹空いちゃうから……だから、時間あるように見えて案外ないんですよ。だから早く歌ったほうがいいよね?

と言って焦らすことなくすぐにアコギに手を伸ばしていて爆笑した。そのわりにゆっくり花道を歩き、手を振ってくれる。

「時間がないなら(花道を)走ればいいのにと思うでしょ。でもゆっくり歩いて、皆さんに存分に(自分を)見てもらう、これが"ファンサ"」

などとまるで覚えたての若者言葉を使うように強調して言うものだからまた爆笑だった。ファンサありがとうございます。

ダブルアンコールは遠くへ。これもアルバム『Calling』収録曲で、『憧れ』を歌った曲だ。使用ギターは、NHKの番組でアメリカのマーチン本社にリペアに出していた、御年83歳のプリウォー・マーチンD-45。めちゃくちゃいい音。サビでマイクから離れて生声で歌って……いたら、まさかの「久しぶりに野郎夜*21の声聞かせてもらってもいいですか?」と言い出して絶句した。そのあとで男女両方とも歌参加を促されたけど、とてもじゃないけど歌えなかった。せっかく、せっかくジェンダー問題に向き合って性別限定ライブをお休みしているところなのに、ここにきて男女二元論を持ち出してくるとは思わなかった。本編途中のMCでも男女別で出席確認をしていてちょっとウワ〜ッと思っていたので、余計残念に思う気持ちが強くなってしまった。今日集まった約2万人の中に、男性女性と呼びかけられた時にそのどちらにもいない(いられない)人がひとりもいないなんてことはありえないだろうと思う。歌い終えたあとも「野郎夜と聖女夜*22が同時に来ましたね!」と笑っていたので、考え直してほしい旨のメッセージを終演後に公式に送った。自他共に360°に気を遣うヒューマンと評されているのだから、なんとか優しくなるための知識を獲得してほしい。演奏後にアコギの内蔵マイクに口を寄せて「ありがとう」と言ってくれたのはエモくてよかった。

そのあともおねだりの拍手が鳴り止まないものだから、ましゃが再度「つまびらかに説明しますと、これから急いで楽屋に戻って、Tシャツを脱いで、おパンツを脱いで……」と話し始め、え?!ましゃパンツ履いてるの!?*23それってボトムスのこと!?それともアンダーウェア!?と全然違うポイントに食いついてしまい、アンコールどころではなかった。

結局本当に時間がないためトリプルアンコールとはいかず、紅白歌合戦に向かうましゃに応援のボンバイエコールと大拍手を送って送り出すことになった。

「ボンバイエは、やっちまえって意味ですからね。紅白で、やっちまってきます!」

と気合いを入れるましゃに、「がんばれ〜!」と叫んだ。「行ってきま〜す!」と楽屋に駆けていく背中にもたくさんの「行ってらっしゃ〜い!」が降り注いで、ライブは終演した。

 

31日のセットリスト

M-01 光

M-02 零-ZERO-

M-03 Cherry

M-04 Calling

M-05 All My Loving

M-06 Moon

M-07 言い出せなくて…

M-08 1991年のクリスマスソング

M-09 家族になろうよ〜Winter ver. 

M-10 最愛

M-11 ヒトツボシ

M-12 MELODY

M-13 Message

M-14 Marcy's Song

M-15 Popstar

M-16 妖

M-17 想望

En-01 炎のファイター〜Carry on the fighting spirit〜

En-02 明日の☆SHOW

En-03 遠くへ

 

31日のまとめ〜よかったところ

ましゃの笑顔よし、音響よし、視界よし、周りの客ガチャまあまあよし、の恵まれた環境だった。特にもちろんましゃの楽しそうな顔に会えたのがいちばんよかった。私もずっと楽しかったよ!

ステージ衣装最高すぎたのもよかった。暑いの苦手で、かつてはライブ中に履くスニーカーに空気穴を開けまくったこともあるほどなのに、ビジュアル重視の通気性ゼロっぽい衣装まで着てくれて私は感無量です。シャツのフリルをつまんだり、Vの字に開いた胸元に指をやったりもしていて助かった。今後もこの路線でお願いしたい。国内外のハイブランドのアンバサダーオファー待ってます。

LEVEL7への配慮もよかった。さんざん登山だとか福山連峰だとかMCでイジって笑いにしていたけど、実際のところこれもまた言っていたように、7からしか見えない景色がちゃんと用意されていたように思う。花道のパフォーマンススペースの床部分はいつも通りLEDパネルになっており、曲中はスクリーンと連動してムービーが流れていた。あれはアリーナや低階層のスタンド席よりも、7がいちばん綺麗に見えたと思う。イジり方も、ほかのLEVELの観客が7に対して労いや敬意を持てるようなものになっていて、絶対に観客同士を分断させないという意思が感じられて嬉しかった。規制退場アナウンスの「お待たせいたしました、福山連峰○列目から○列目のお客さま、足元にお気をつけて下山してください」には場内大爆笑で、たぶんこう言ってくださいとお願いしたのだろうけど、最後の最後までみんなに笑顔でいてもらおうというエンターテイナー精神と心意気を感じた。

ステージ上と左右にミラーボールがたくさんあって、ギラギラと回っていて楽しかったのもよかった。テープは金と銀の2回降っていたし、炎は噴き出し、火花も散っていた。景気がいい演出や特効、大好き。

観客を座らせるときにいつもの「お座りください」ではなく、「お掛けください」になっていたのがよかった。

演奏が始まる時に、モニターに収録アルバムと曲タイトル、演奏中は歌詞が出るのも、いつも通りとはいえ今回もよかった。できる限り全ての観客に平等であろうとして、花道を歩く回数や順を全部計算(ましゃ談)してくれたのもよかった。

相変わらずの「ぼくがかんがえたさいきょうのバンド」によるアホほどハイクオリティの演奏は何度体験してもその度に笑っちゃうほど感動する。国内屈指のプレイヤーを一堂に集めすぎて逆に不安。ちょっと詳しい人がメンバー知ったら爆笑しながら卒倒するレベル。ましゃのライブのチケット代は決して安くはないんだけど、このメンバーでの演奏だけでお釣りが来る。ましゃのライブは、国内で体験できるほぼ上限いっぱいレベルの演奏が聴けます。音楽好きは是非来よう!

また、心配していた規制退場はかなりスムーズにいっていたと思う。声がかかるまでの時間は座席によるけれど、呼ばれてから場外に出て、新高島駅桜木町駅横浜駅までの徒歩移動は、もちろん混雑はしたけれど、全く前に進めないなんてことはなかった。そもそも公演の注意事項として、規制退場を行うこと、最寄駅まで最大60分程度かかるのを見込んでおいてほしいことは事前にアナウンスされていたのもあり、Kアリーナ開場以来の数々の他興行の知見を取り入れてよくやってくれたと思います。

そして、「最新こそが最良である」を目指す姿勢を明確に打ち出してきたのもよかった。一等賞の話になったとき、かつてはそれが目的だったことをごく素直に認めて、でも今はそれは手段なのだと考え方が変わったことを話してくれた。一等賞を獲れば、売れれば、そのときいちばん新しい自分で、いちばんいい音楽をやれる。それをやり続けるために、売れ続ける必要がある、というふうに。正直ここ数年のましゃの新曲で自分的に超絶ストライクな曲ってあんまりないんだけど、それは私の好みの問題でしかない。実際、今日披露された30年前の楽曲たちは色褪せるどころか、今いちばん新しいましゃとバンドでいちばん最高に奏でられたことを私は体験した。だから、好きなミュージシャンがいま現在どういう音楽的スタンスでいるのかを知ることは、ファンは無関係ではいられない、とっても大事なことだと思う。私も、最新の私がいちばんいい人間でいられるようにしなければならない。ましゃに胸を張れる人間でいよう。

 

31日のまとめ〜よくなかったところ

ましゃのライブでは、終演後に、「また逢おう!またやろうな!○年○月○日」の手書きメッセージがモニターに表示されるのがお決まりなんだけど、場内撮影禁止にもかかわらずこのメッセージを激写しまくる観客が後を絶たない。アリーナには録音録画写真撮影禁止のプラカードを持ったスタッフさんたちが客席通路を練り歩いているのが見えたけど、スタンド席では見かけなかった。通路が狭いので、安全面のこともあるのだろうけど、禁止の旨の場内アナウンスをかけるとかはできるはずなので、思い出写真欲しいけど我慢している私のようにきちんとルールを守っている人が損をする状態は勘弁してほしい。

いま世界は現在進行形で戦争をやっているということにMCで触れるなら、旅番組で感じたことを言葉にするなら、そして出征ソングを歌うなら、音楽は国境を超えて〜だけではなく戦争反対を明言してほしかった。被爆二世のアイデンティティを持つましゃこそが言うべきだと思うよ。

あと、アリーナ席前方上手側、ペンライト2本揺れてたの見えてたからな。公式グッズのライトバングル以外の光り物は持ち込み使用禁止だろ。スタッフも没収してほしかった。

 

31日のまとめ〜紅白歌合戦

昨年は、紅白で演奏予定の桜坂をダブルアンコールでもやり、まさかの2回失敗して客席がざわつく衝撃の事件があったものの、今年はそのようなことにはならなかったので、あまり心配せずに済んでいた。とはいえドキドキしながら番組オープニングから見守った。一言ご挨拶でもあるかなと思っていたら、ましゃは映らなかった。ひょっとしてまだ鍼打ってる感じですか?

衝撃の事件詳細

アニメ映画「窓ぎわのトットちゃん」を観て号泣したのが記憶に新しいので、黒柳徹子さんが寺尾聰さんと会ってワ〜〜〜!て大喜びして手を握って離さないのを見てちょっと泣いたり、さっきまでましゃのサポートをやっていたキャプテン*24と今ちゃんと山ちゃんと高水さんが寺尾さんのバックで演奏していて演奏後にハイタッチまでしていてかわいすぎてひっくり返ったり、ミヤジくん*25の自由っぷりに笑ったり、母と妹がハマりまくっている韓国ボーイズアイドルグループSEVENTEENのバーノンのけん玉成功に沸いたりして、ましゃの出番まで忙しく過ごした。

とにかく私が心配していたのは衣装だった。ボーダーレスをテーマに掲げながら未だに男女でチームを分けるとかいう、23年最大のおまいう案件であるところの当該番組において、これに疑問を持たずあるいは迎合して白の衣装を着るなんていうことはしてほしくなかった。

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去年は濃ピンクのセットアップを着てくれて助かった

湯川先生*26のアクリルスタンドを握りしめてテレビの前で体操座りして待っていた。とうとうましゃの出番になった。ましゃは白シャツに白のリボンタイを締め、綺麗な薄い緑色のセットアップのスーツ of Gucciを着ていて、これになった。

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やってくれると思ってた。ましゃありがとう。思えばその配色は単に歌う想望の百合薫る丘のイメージカラーのつもりだったのかもしれないけど、それでも白以外を選んでくれたことが嬉しい。

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湯川先生、ましゃだよ

メドレー1発目HELLOではイントロに合わせてましゃと今ちゃんがアコギのヘッドを振ってくれてふたりともがかわいすぎてテレビに向かって絶叫したし、「25時の電話のベル  土曜日の仕事」でましゃがウインクしてくれてもう一回絶叫した。ついさっきまで目の前で2時間半ライブやってた推しがいまテレビの向こうで疲れも見せず完璧な歌と顔でウインクしてくれることある?ありがたすぎてサビでライブさながらに手拍子入れた。ライトバングルも着ければよかった。

想望ではなんとスーツと同系色のふわふわのロングコート of JIL SANDERを羽織ってきてもう一回これになった。

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マジで良すぎて手を叩いて大喜びして「ましゃ衣装いいよオ〜〜〜〜〜ッッ!!!」って本当に絶叫した。すぐSNSで検索して似合わないとか老けたとか劣化とか整形とか植毛とか言ってる奴全員ブロックした。国内外のハイブランドのアンバサダーのオファーお待ちしております。

最後まで歌詞も間違えずにメドレーをやり切れてよかった。結果発表のときに大泉洋を執拗に指さしてわちゃちゃちゃちゃと延々やっていたのがかわいかった。これからも仲良しでいてください。ラストマン*27続編待ってます。明けましておめでとうございます。


HELLO

想望

 

 

2024年1月1日

プレゼントボックスに入れるお手紙を書いた。前述のよくなかったところ全部書いてやろうかとも思ったけど、長文必至なので、とりあえず大好きですと書いた。末尾に自分の名前と一緒に、書いたときの場所や時刻や季節を添えるやつをやってみたかったので、やった。ボックスの場所は昨日の退場時に確認済み。持参を忘れないように書き終えてすぐバッグに入れた。ライトバングルの電池は交換せずに使うことにした。

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今日も晴れたね

席は、前日と同じLEVEL5。ただし列は後ろのほうで、上に迫り出している7の席の下にあたる。本日も金銀テープのキャッチは無理です。お疲れさまでした。

 

あまり早くに入場してもソワソワしてしまうだけなので、わざとゆっくり会場入りした。SEは、ましゃのサポートバンドメンバーであるキーボード井上鑑、ドラム山木秀夫、ベース高水"大仏"健司、ギター今剛の4人が組んでるインストバンド井山大今(いのやまだいこん)の曲だった。良すぎ。

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左から)井上鑑山木秀夫、高水"大仏"健司、今剛

開演が押しているのは気づいていたが、その理由は、定刻を10分ほど過ぎた17時10分頃にましゃがジャージ姿で登壇するまでわからなかった。いつのまにかステージに現れたましゃは、いつも通りの落ち着いた調子で話し始めた。

 

能登で大きな地震があったこと。場内の総点検は終わっていて、安全であること。被災地の状況を確認していること。自分たちに何ができるか考えたときに、今から全員で会場を出て被災地に支援に向かうのは違うだろうと思っていること。このままライブをやることを前向きに検討していること。17時半までには結論を出すこと。仮にライブを決行するとしても、そんな場合ではないような被害状況が明らかになったら、その時にまた相談したいこと。

 

澱みなく、震えてもいない深刻すぎない声色で、事実と自分の意見とが明確に分けられ、結論までの時間の区切りまで提示してきた、見事なスピーチだった。ましゃは東日本大震災で大きな被害が出た福島県で復興支援ライブに参加した時も、出番前にお客さんたちの顔を見て、円陣を組んで「もう同情は求められていない。いつも通り最高のライブをやろう」と言っていた。いま、この瞬間に、自分が、エンターテイメントができること、自分が差し出したいものではなく目の前のお客さんが求めているものを本気で考えたことがあるから、何かしらをすぐに言えるだけの心でいてくれたんだと思う。ライブはましゃの名前でましゃの責任で開催しているので、本人が説明に出てくるのは当然とはいえ、その当然をきちんとやれるというのはとても素晴らしいことだ。おかげで、場内はざわついたものの、少なくとも私の周囲でパニックは起こらなかった。みんなそれぞれに情報収集に努めていて、会場に一緒にいる全員と、その人たちの大事な人たち、そしてもちろん被災者の方々の心身の無事をずっと祈っていた15分間だった。

 

果たしてライブは17時半に開演した。ここから始まる2時間半だけは、全員にとって少しでも安全で安心なものになるといいと、それだけを考えながら手拍子をずっとしていた。今日もキックの音がめちゃくちゃ聴こえて最高。2曲目は昨日の零-ZERO-から変わって聖域。これはテレビドラマの主題歌で、「愛とか恋とか攻めとか受けとか  決めるのわたしだから」の歌詞がオタクたちにウケてバズったことがある。でもネタ曲じゃなくてほんとにかっこいい曲だから!ネタだけで消費しないで!

聖域

次のCherryは大好きな今ちゃんのソロがある。今日は下手側の席なので、つまり今ちゃん側で超うれしい!今ちゃんは今日もトコトコ小走りで花道を来て、信じられないほど華麗にソロを弾き、小さくガッツポーズをして、次にソロを弾くましゃのほうを向いて指さしまでしてくれた。天使すぎる。

今日のヒトツボシでは、花道中央で歌うましゃの上空に、ひとつきり小さな星のような灯りがゆっくりと降りてくる神演出*28に気づくことができて感動した。ちなみに、最愛は今日も演奏された。一輝、観てる!?泣かないでね!

アルバム『Calling』の4曲、MELODYMessageは今日もたいへんかわいかった。ましゃは歌うときいつも両手をいっぱいに広げて、カメラに向かって手を伸ばしてくれる。2万人に向かって手を広げて胸を晒すことの恐怖を全く感じさせないこの振る舞いは、いつでも尊敬させてくれるし、私をうれしくする。ましゃ、いつもありがとう。いつも愛してるよ。

Marcy's Songのあと、Popstarに代わってやっぱり日替わりセトリコーナー、ステージの魔物。イントロのホーンセクションかっこよすぎ。サビの「身体が欲しがってるんだ  我を忘れるほどの興奮を」のところ、いつもはお客さんがタオルを空中に投げ上げる振り付けがあるんだけど、Kアリーナは座席間が狭すぎることもあってか今回は無し。代わりにライトバングルをつけたほうの手を掲げて応えた。最後の「もう誰も止められない  もう誰も届かないこの場所で」のところで、昨日からましゃにくっついて周りをぶんぶん飛んでいる小さなドローンがぐるぐるとましゃの周りを回って、最高の映像をスクリーンに映してくれた。操縦士さんありがとう。全員Break your leg!*29

ステージの魔物

本編ラストの想望は本日もキャンセルいたしました。今日はさらにライトバングルも消して着席してみた。戦争反対は言葉にしたほうがいいよマジで。

アンコールの2曲目は心color〜a song for the wonderful year〜。発表されてからすぐに定着した年越しソング。しかも歌詞を「今年もまた終わろうとしてる  やり残した気分と来年の期待と」から「今年はまだ始まったばかり  どれだけの笑顔に逢いに行けるだろう」みたいに変えてきて最高だった。モニターの歌詞も変わってたから、アドリブじゃなく歌うつもりで準備していたんだろう。花道上空のライト群が輪をもつ惑星のかたちになって虹色に輝いていて最高だった。やっぱ年末年始にライブでこの曲聴かないと始まらないんだわ。赤と白の風船もいっぱい降らせてくれてありがとう。まあ私の席には届きませんでしたが……。

心color〜a song for the wonderful year〜

演奏後、ましゃとバンドメンバーたちは一列に並んでメンバー紹介。山ちゃんとの「お〜〜〜〜〜〜〜い!!」のコール&レスポンスは今日もかわいくて楽しかった。それから予想通り、「初日は100%の出来、ありがとうございました。昨日は195%、今日は200%です!」とましゃが挨拶をくれて、みんなで手をつないで「あけおめ、あけおめ、あけおめ〜〜!」のバンザイ三唱で解散。

これであとはましゃひとりでダブルアンコール、かと思いきや、グッズTシャツの上にドレスシャツを羽織り、キャプテン(井上鑑)だけ呼び戻した。

「いつもならこのあとダブルアンコールなんだけど、今日はちょっとやってみたいことがあります。ピアノ弾き語りで想望をやります」

「関係者各位から、この曲をもっとコスりたいと言われていまして。だから2回やるっていうね。昔言われたことを思い出します。渋谷eggmanとかライブハウスでやってて全然売れてなかった頃、MCをやってなくて。どうも福山ですって言って曲やって、それだけ。それがカッコいいと思ってたし、言いたいことは曲に込めてるからって思ってた。まあ込められていなかったんですが。それで(所属会社アミューズの)大里会長が楽屋に来て、何やってんだ、って。音楽が売れてないんだから、人柄を知ってもらうために喋れ。売れてないんだから曲は2回やれ、って言われたことがあります。その時の気持ちを思い出しました」

キャプテンはキーボードの前に座ってニコニコしている。でもこのピアノ弾き語りはリハーサル無しのぶっつけ本番らしい。なぜならキャプテンの本日の現場入り時間は16時だったから。ついでに今日はバンドもリハーサル無し。プロだから。そんなことある?

完璧に弾き語りを終えたあと、

「いやあ、プロってのはすごいもんですねえ」

ましゃへ

お前が言うな

私より(字足らず)

長年の福山バンドのチームワークと国内指折りのプレイヤーたちの実力に戦慄いているうちに、ましゃは「今度はプロオーディエンスの力を見せてもらってもいいですか?」と言い、トリプルアンコールで、NHKの旅番組でも披露したをやってくれた。使用ギターは昨日に引き続き、御年84歳のマーチン。客席にはもっと年上の方々が何人もいらしていて、ましゃもびっくりして「お元気ですねえ!」を連発していた。

「あと30年、よろしくお願いします。30年後は僕は84歳で、みんなは……35歳くらいかな?

そこまで気を遣わなくていいよ😂😂😂

気を取り直してめちゃくちゃいい音で弾いて歌ってくれてたけど、途中で急に

ここで相談です。あ、いいですよ、手拍子はキープしてもらって。リズムキープはドラムの基本ですから」

と言い出して、

「このあと、掛け合いがあるじゃないですか(「僕がいつか風を」(風を)「追い越せるその時」(もしも)のところ)。実はこれ()初日もやったんだけど、どっちがどっちのパートを歌うかでわちゃわちゃしたんだよね。で、ここからがご相談です。どっちがいい?僕が主旋律を歌うほうがいいっていう人?それとも、いやいや私たちが歌いますよって人?」

と拍手で投票を募って、結果、ましゃが主旋律を歌うことになった。まって、ほんとに歌うの?を?明日の☆SHOWでも少年*30でもなく、?ほんとに?

「じゃあ、ちょっと戻って、「ただ雨に打たれ〜」からいくね。1、2、3、4……」

ましゃのカウントが入り、再び歌いだす。しかし、"名曲「」でましゃを相手に掛け合いをこなす"というイメージトレーニングを完全に怠っていた我々のぐだぐだの戸惑いっぷりはご想像の通りで、ましゃは演奏を止めて、腰に両手をあてた。

「なんか、イマイチじゃない?自信なさげじゃない??やっぱり俺が掛け合いのほう歌ったほうがいいんじゃない???」

私たち掛け合いのほうできます!とか見栄張ってごめん😭

「じゃあ次から……いきなり入れる?……入れるか。プロオーディエンスだから。いやでもやっぱり心配だな……」

マジでごめん😭プロオーディエンス失格😭

シュンとしながらドラム代わりの手拍子を再開したけど、またすぐ止められて、

「(テンポが)ちょっと速いかも!」

ご゛め゛ん゛ま゛し゛ゃ゛、も゛う゛何゛も゛で゛き゛な゛い゛ん゛だ゛お゛れ゛た゛ち゛

新年早々心折れながら、ましゃのギターに合わせて、少し戻って再トライ。福山雅治に掛け合いと演奏をやってもらいながらを歌ったこと、きみはあるか?私はある。

「いいじゃない!飛び立てたじゃない!最初からこうすればよかったね」

ましゃはニコニコでそのまま最後まで歌ってくれた。このぐだぐだの共同作業でわりと素っぽいましゃが見れた気がして、貴重な経験ではあったけど、アウトロの最後の音が止まった瞬間は感動よりも安堵が先に来た。でも楽しかった!ライブって色んなことが起こる。だからいつでも何回でも行きたいんだよね。

最後のMCでは今後の予定の総括をして、

「春からは全国ツアーです。あなたの街に逢いに行きます!また逢おう、またやろうな!バイバイ!」

と言い、観客一同からの「バイバ〜イ!」を受けてかわいい笑顔で投げキッスをしてましゃは帰っていった。あなたの街に逢いに来てくれるのはいいんだけど、じゃあチケットとらせてください。以上。

 

昨日よりも後ろの列だったため、規制退場で呼び出されるまでの時間は昨日よりはかかった。昨日、LEVEL7を福山連峰呼びして場内の爆笑をさらったアナウンスは、さすがに今日はそうは呼ばず。代わりに、東北地方への各新幹線の運行情報のお知らせ、そして、帰宅が困難になってしまった人や状況の確認に時間がかかる人の待機場所として、準備ができ次第LEVEL5のロビーを開放する旨のアナウンスが流れた。私は該当しないけれども、このお知らせはかなりホッとした。日本の都市部では、ただ休んだりそこにいたりすることのほうがお金がかかる。厳しい状況にある人たちが寒空の下に放り出されなくてよかった。

お手紙は、無事にプレゼントボックスに入れることができた。ギッチギチかなと思ってたけど、そうでもない。設置されていることがあまり認知されていないのかな。でもお手紙は書いたほうがいい。愛は伝えたほうがいいよ。

 

1日のセットリスト

M-01 光

M-02 聖域

M-03 Cherry

M-04 Calling

M-05 All My Loving

M-06 Moon

M-07 言い出せなくて…

M-08 1991年のクリスマスソング

M-09 家族になろうよ〜Winter ver. 

M-10 最愛

M-11 ヒトツボシ

M-12 MELODY

M-13 Message

M-14 Marcy's Song

M-15 ステージの魔物

M-16 妖

M-17 想望

En-01 炎のファイター〜Carry on the fighting spirit〜

En-02 心color〜a song for the wonderful year〜

En-03 想望

En-04 虹

 

1日のまとめ〜よかったところ

できるだけ色んな思いに寄り添おうとしていたところ。しきりに言っていたのは、

「声にも色んな声があります。喜びの声、悲しみの声、苦しみの声……。音楽もそう。喜びから生まれる音楽もあるでしょう。でも、悲しみや苦しみから生まれることのほうが多いんじゃないでしょうか。これは僕個人の考えですが。今日は色んな思いを声にのせてほしいです」

みたいなことだった。ひとまず会場には居るけれども内心はそれどころじゃない、という人もいただろうから、ハッピーなものだけがここにはあるべき!となりかねないこの空間において、そうではない気持ちもここには存在するのだということを、他ならぬましゃが受け入れることの意義よ。

昨日に続いて、LEVEL7への意識があったところ。ましゃは必ず最上階の最後列に自分で行って確認して、全員を楽しませようとしてくれるけど、それって本当なのだと感じさせてくれる瞬間が節々にあり、よかった。加えて今日はオンラインで生配信もしていたので、そのお客さんたちのこともずっと気にしていて、呼びかけたり手を振ったりしていてよかった。

花道を小走りする今ちゃんが「あそこに行きます!そういう段取りなんです!いま段取りをこなしています!」という感じなのがかなりよかった。いつでも花道歩いてほしい。高水さんも弾いてないときは手拍子してくれてて、かわいくてよかった。

何かの曲のとき、バンドメンバーたちがそれぞれソロを弾いて(叩いて/吹いて)いくのを寄りかかりながら見て聴いて、終わるたびに拍手をしていたましゃがすごくよかった。ましゃのライブはシンプルに『演奏がイイ』ので本当に楽しい。他のジャンルに例えられないけど、国内トップクラスのプレイヤーがこれだけ集まって共演しているのを聴ける現場はそうそうないと思う。私は本当に毎年贅沢をしている。本当にありがたい。

昨日の紅白歌合戦の評判をましゃがエゴサしていたのもかなりよかった。『福山』で検索すると『衣装笑った』の感想がヒットしまくることや、どなたかが投稿した"ティンカーベル激推しおじさん"というワードを一言一句違わず暗唱して、「世の中にはイジワルな人がいるもんですね」とちょっと落ち込んでみせながら、Popstarの歌詞を引き合いに出して、平気ですけどねと笑っていた。もしかしたらそうは言っても本当は気にしているのかもしれないけど、私はあの衣装マジで最高だと思ってるから安心してほしい。

そしてLEVEL5のロビーを開放してくれたこと。あれは非該当者の心の負担をも軽くしてくれたと思う。いわんや必要だった人たちはどれほど心強かっただろう。舞台裏でずっと交渉してくださっていただろう関係者各位、ありがとうございました。というわけで、チーム福山へ敬意を表し、感謝の課金、いかせていただきました。

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シングルCDとして発売された曲を一ッッッッ切演奏しないという超チャレンジングな最高ライブ、その名も『無流行歌祭(ノーシングルライブ)』の円盤。DVDは持っていたけど、Blu-rayに買い替えました

 

1日のまとめ〜よくなかったところ

金銀テープや風船が降ってきたとき、通路に出て回収していたアリーナ席のお客さんたちがいた気がする。特に風船は、ましゃが「ひとりで3個とか持たない!分け与える!」って言ってくれたけど、たぶん複数個独占した人いたと思う。後ろの席に送ろうとしてた(した)人もいただろうから、余計に残念。欲しいのはわかるけど、1人ひとつでお願いしたかった。私はゼロ個です。いいけど。

男女別の出席確認、アゲイン。

昨日は「お掛けください」だったのがまた「お座りください」に戻っていた気がする。

 

我が最強のメンバーたち

キーボード(バンドマスター):井上鑑

ギター:今剛

ギター:小倉博和

ベース:高水"大仏"健司

ドラム:山木秀夫

パーカッション:三沢またろう

バイオリン:金原千恵子

トランペット:西村"ちびちゃん"浩二

トロンボーン村田陽一

サックスほか:山本拓夫

 

総括

こうしてほしかったなという部分はもちろんありつつ、珠玉のエンターテイメントを今回もたいへん楽しんだし、嬉しかった。ましゃの笑顔、世界でいちばんすてき。世界でいちばんかわいい。いつでも逢いたいのでツアーのチケットとらせてください。あと、秋でツアー終わると思うので、年末の大感謝祭其の二十二開催の報をお待ちしています。以前「ツアーがあるので大感謝祭はお休みします」と発表したときの会場の大ブーイングを思い出してください。よろしくお願いいたします。

最後に、誰にとっても、この2時間半の夜が、何かの助けになることを願って、総括とします。

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また逢おう、またやろうな

 

 

 

 

 

*1:数えるほどだけど、そこそこいい席だったこともあります!

*2:ここしばらく、大感謝祭では、ましゃがCMを担当しているキューピーさんが来場者全員にお土産をくれる

*3:車椅子優先トイレはある

*4:しおはる。塩の粒ほどに小さくしか見えない福山雅治、またはそのような席のこと

*5:バスドラム。ドラマーの足元に設置してある、いちばん大きくていちばん低い音が出るドラム。足でペダルを踏んで鳴らす

*6:同人誌即売会で売場を壁際に指定されるほど客足が見込める人気作家の福山雅治先生による新作、という意味

*7:今剛。こんつよし。アニメ監督の故今敏さんの実兄。ギターの魔法使い

*8:小倉博和おぐらひろかず。俳優・松たか子さんの夫の佐橋佳幸さんとギターユニット山弦(やまげん)を組んで長年一緒にやっている

*9:セミアコースティックギター。通常、エレキはボディーに空洞がなく、アコギにはあるのだが、セミアコはエレキだけど空洞が作られていて、エレキとアコギ両方の特徴をもつサウンドが出せる

*10:フロントピックアップ。エレキギターに複数個ある内蔵マイクのうち、最もネックに近い位置にあるもの

*11:リアピックアップ。エレキギターに複数個ある内蔵マイクのうち、最もブリッジに近い位置にあるもの

*12:エレキギターに複数個ある内蔵マイクのどれから音を拾うかを手動で選択できるスイッチのこと。フロント、リア、フロントとリアから半分ずつまたはその2つの間に位置するセンターピックアップから音を拾うセンターポジション、の合計3つの選択肢がある

*13:山木秀夫。やまきひでお。たいへんチャーミングな凄腕ドラマー。飼っている犬がかわいい

*14:高水"大仏"健司。たかみずけんじ。ハットをかぶったスタイルがおしゃれな凄腕ヤバベーシスト。「大仏」はニックネーム

*15:シスジェンダーかつヘテロセクシュアル、の略。シスジェンダーは、出生時に判断された性別と、自分で思う自分の性別が一致していること。ヘテロセクシュアル異性愛アイデンティティのこと

*16:性的マイノリティの人たちの支援者

*17:性的マイノリティのアイデンティティを持つ人の総称など

*18:金原千恵子。きんばらちえこ。ビビるくらいたくさんのミュージシャンのサポートを務めまくっている凄腕バイオリニスト。ましゃのことを福山くんとかましゃと呼んでくれる

*19:インストゥメンタルの略。歌詞がない曲のこと

*20:「宮迫です」のパロディ

*21:やろうや。男性限定ライブのこと。数年前から開催されていない

*22:せいじょや。女性限定ライブのこと。数年前から開催されていない

*23:ましゃは若かりし頃、過密スケジュールでツアーをやっていた時、下着の洗い替えが間に合わず終演後にホテルの部屋でパンツを手洗いしながら「さっきまで黄色い歓声を浴びていたのに……」と思った経験から、以来ライブではノーパンを公言している

*24:井上鑑。いのうえあきら。キーボード、アレンジャーなどなど。寺尾聰さんの代表曲「ルビーの指環」のオリジナルプレイヤーのひとり。ましゃの楽曲アレンジとライブサポートバンドマスターを長年務めてくれている

*25:エレファントカシマシ宮本浩次くんのこと

*26:ましゃ主演ドラマ&映画作品「ガリレオ」シリーズで、ましゃが演じた主人公・湯川学のこと。ましゃ公式グッズのひとつ

*27:ましゃと大泉洋がバディを組んで事件を解決する刑事ドラマ、「ラストマン-全盲の捜査官-」。放送終了済み。ましゃは中途失明したFBI捜査官を演じた。共演に寺尾聰さん、上川隆也さんなど

*28:花道中央の上空には、たくさんの小さな丸いライトが垂らされていて、それらは全て制御されており、曲に合わせて雨のようになったり螺旋階段のようになったりする

*29:直訳で「足を折っちまえ」。本番に限って何らかのミスやトラブルが起こる"エンタメステージあるある"を逆手に取り、敢えて不幸を願うことで逆に幸運を呼び寄せようという、ステージの成功を願うおまじないみたいなもの

*30:これも合唱曲として定着している歌