もくじ
- 経緯
- 服装と持ちもの
- 当日
- 東京スカパラダイスオーケストラ
- DOPING PANDA
- SiM
- ラーメンタイム
- 氣志團
- LOW IQ 01 & THE RHYTHM MAKERS+
- クレープタイム
- STRAIGHTENER
- Dragon Ash
- ACIDMAN
- エンディング
- おまけ
2022年11月26日(土)、ACIDMAN presents SAITAMA ROCK FESTIVAL "SAI" 2022 に参加した。
これは日本のロックバンドACIDMAN(アシッドマン)が主宰する音楽フェスで、5年前に第1回目を開催しており、今回は第2回目である。ちなみに第1回は1dayだったのだが今回は土日2daysでの開催となり、私が参加したのはday1にあたる。
経緯
私にはACIDMANを愛してやまないソウルメイトがおり、第1回の時は彼女に誘われて参加した。それまで音楽フェスというものに縁がなかった私は、しかしSAIを大いに楽しみ、以来CDJ*1にもちょっと行ったりするようになった。SAIは冬フェスだが室内で、しかもステージは1箇所だけなので*2、移動といえばフードエリアとの往復くらいで体力的にも楽だったし、入門には向いていたのだと思う。電車で行ける距離だし*3。
そういうわけで第2回開催の速報は当然ソウルメイトからだった。彼女はかねてより開催を待ち望んでいたので、私も喜んだ。
それから9ヶ月ほど経ち、全出演アーティストの名前が出揃った。私はそこにたいへん懐かしい名前を見つけ、今回も参加することにした。既にチケット発売スケジュール上は後半戦だったが、そのバンドが出演するday1のスタンド席を見事勝ち取った。
DOPING PANDA(ドーピングパンダ)の名前を見つけたときは嬉しくてソウルメイトに「おい!!!私ドーパン行くべきかもしれない」とLINEした。
彼らは今年のFUJI ROCK FESTIVAL 2022*4にも出演しており、そのパフォーマンスを配信で観ていたのだが、とても素晴らしかったのだ。
春に仕事をクビになったので無職期間中に配信全日リアタイしたことをちょっとだけ書いた記事
夏、だれもいないリビングでギターを片手に配信を観ながら、高校生の頃に1曲だけ知っていて、それをとても気に入っていたことを思い出した。その音が、ずっと素敵に鳴っていた。すごく嬉しかった。すごくかっこよかった。彼らは一度別れて、10年経って今年また戻ってきてくれたのだった。だから少しでも好きだと思うなら今度は走って私が受け取りにいかなくちゃいけないと思って、彼らがいるday1に申込をしたのだ。間に合ううちに。
間に合うために走れオタクたち!という話をした記事
そんなだからギターボーカルのフルカワユタカが寄せたコメントを読んで大泣きした。孤独を糧にしなくちゃいけない人たち同士でケアし合うようすが好きすぎる。本当にうつくしいことだよ。
大木*5はずっと再結成しろって言ってた。
4年前ドーパンが一夜限りの復活をした時も一番盛り上がってたのは大木だったし、その後「行くぞ」って言われて行ったACIDMANと俺だけの打ち上げ(笑)でも「このままドーパンやれ」って。
下北でも岡山でもフェスのバックヤードでも。
一度返す刀で大木に「ソロやんないの?」って聞いたら「ACIDMANに勝てるわけないじゃん」と即答された。
先輩の話を真剣に聞いてた俺に「同い年が説教されるの見たくないんだよ」って”真剣”に諭してきたこともあった。
けど、あれは体育会系ノリなだけで説教じゃないっつーの。
配信ゲストに出てもらった時「いつも頼ってばかりで悪いね」とへり下った俺に「お前の頼みなら何でも聞くよ」と言ってくれたこと、再結成に対する世間のリアクションの大きさを見て「自分のことのように嬉しいわ!」ってメールくれたこと、ありがとう。ああ見えてって言ったら変かな。
そういうやつだよね大木はずっと。「頼みなら何でも聞くよ」って言われたからSAIに出してくれとは大木には絶対言わなかった。
だから再結成ツアー初日のMCを真に受けたメイニア*6達(悪気はないね、ごめんねみんな)がSNSで「SAI出して!」の大合唱を始めた時は申し訳なくなった。
絶対気を使わせてるなって。
残りの場所では一切「SAI」の話をしなかった。けど無茶苦茶出たかったよ。
散々言われてきたドーパンの再結成を見てもらいたいに決まってる。
世話になったお返しもしたい。ずっとバンドを続けるっていうのは本当に凄いことで、でかいフェスまでやって、一度いなくなった俺達を呼んでくれて。
ダサいライブやるわけにはいかないです。
一瞬でギザギザしたあの頃にみんなで戻っちゃうような最高のDOPING PANDA を見せるので、何卒よろしくお願いします。フルカワユタカ
YouTubeで見つけた弾き語りも良すぎて号泣した。さんざんMIRACLE*7を歌っておいて解散しやがって再結成したあとに I am sorry me ミラクル起こせなくてさ*8って歌うのはずるいよ。
服装と持ちもの
何度か行ったCDJもこんな感じだったと思う。CDJは12月末だからアウターはもう少し寒い時期用のものにしてもいいかもしれない。ただしクローク*9に預けきれるものがよい。
【服装】
- 七分丈のあったかインナー
- 第1回目のSAIのオフィシャル半袖Tシャツ*10。購入以来5年間よく着ていたので色褪せてウォッシュTシャツ風になった
- 長袖のジップフライパーカー。着脱しやすさ重視
- アンクル丈のスラックス。雨予報だったので、濡れると冷えてしまうジーンズは避けた
- マーチンの8ホールブーツ。雨兼床の底冷え対策。足元があったかければなんとかなる。履き慣れたスニーカーでも可。靴擦れするもの、ヒールのあるもの、サンダルなどの防御力の低いものは避けよう
- 長めの丈の靴下
- ニット帽。頭から放出される熱量はばかにできない
- 腕時計。時間を確認するためにわざわざスマホ取り出すの面倒なので。スマートウォッチ派の人は、ライブ中に画面が点灯しないようにするといいかもしれない。気が散ってしまうぞ!
- お気に入りの指輪。石なし。誰かに手が当たっても怪我させないものを選ぶとよい
- 第1回目のSAIのオフィシャルマフラータオル。首にかけるとあたたかい。即席傘代わりにもなる。ライブでアーティストに煽られたら振りまくるのも楽しい
- MA-1ジャケット
【持ちもの】
リュックサックの中
- 折り畳み傘
- 文庫本
- カードケース
- 生理用ナプキン
サコッシュの中
- 財布。現金多めに!
- スマホ。交通系電子マネーチャージ済、会場マップとタイムテーブルと電子チケットダウンロード済
- 替えのマスク数枚
- ウェットティッシュ
- スマホ充電器
- 貼るホッカイロ
- ポケットティッシュ
- ワセリン。リップクリーム代わり
- 小さいゴミ袋
- 眼鏡。くもり防止ジェルを前日に塗布済
- ペットボトルの水。前日に購入し室温にしておいたもの。サコッシュに取り付けたペットボトルホルダーにぶら下げた
- 手拭い。ハンカチ代わり
- 本人確認書類
The bag lady。クロークサービスはソウルメイトが事前に申込をしてくれていたので、2人分まとめて1つの袋に入れて利用する手筈になっていた。出し入れ自由とはいえ、自分以外の人と共同で利用し、且つ引換券を自分が持たない場合は、出し入れ回数をできるだけ抑えるため、グッズの当日受取や購入などを全て済ませた状態で預けるとよい。また、このとき、入場時に提示を要求される身分証明書は手元に残すこと。
当日
流れ
さいたま新都心駅現地集合→グッズ当日購入列に並ぶ→購入後、クロークに荷物を預ける→客席入場→ライブ鑑賞→ごはん→ライブ鑑賞→休憩→ライブ鑑賞→終演→現地解散
さいたまスーパーアリーナは、最寄駅のさいたま新都心駅から徒歩3分で行ける。直結ではないので外を歩く必要があるが、集合時点ではまだ雨は降っていなかった。みんな思い思いの服装で、誰かと待ち合わせをしたり、歩き始めたりしている。みんなニコニコしていて嬉しくなる。終演後はごった返すので、切符派の人はこのとき帰りの分を購入しておくとよい。
2枚目は5年前のもの。
インスタレーションかな?
こんなのもうラブレターだよ。うつくしいね。
観客を休ませる気が全くないタイムテーブル
当日会場では、フェス自体のオフィシャルグッズとは別に、出演アーティストごとのグッズも販売される*11。このアーティストグッズは、フェスオフィシャルグッズとは異なり、事前販売はされないので、どうしても当日に並んで購入する必要がある。販売開始約30分前に会場に着いた時点で、MAN WITH A MISSION(マン・ウィズ・ア・ミッション)のグッズ待機列はえぐいことになっていた。
私はお目当てのドーパンのTシャツを買い、隣のブースだった東京スカパラダイスオーケストラのTシャツも衝動買いし、ソウルメイトがACIDMANコラボ日本酒の予約列に並んでいる間に、事前購入会場受取にて代理購入してもらっていたオフィシャルグッズを引き取りに行った。ソウルメイト名義だったので、QRコード提示のためにスマホを預かったのだが、画面ロックの解除パスワードを口頭で伝えてくるものだから焦った。不特定多数のいるところでパスワードの類を声に出すんじゃありません。良い子のみんなは真似しないように。
こうしてお互いグッズを全て入手し、荷物をクロークに預けた。2人分合わせてもリュックサック2つだったので、袋には余裕をもっておさめることができた。換気などで会場が寒くなることがあるかもしれないと思い、アウターは着ていくことにしたが、ニット帽は預けた*12。
ソウルメイトはアリーナ席、私はスタンド席で、入場口が異なる。どのタイミングで食事をとりに行くか打ち合わせたあと一旦別れた。
チケット記載の入場口で本人確認をクリアし、パス代わりのリストバンド*13を受け取って完了。朝10時スタートという目の覚めるタイムテーブルだったので、私の席の周りはわりと人がまばらで、ゆったりと座って開演を待つことができた。遠くから来る人は朝いちばんは間に合わないもんね…。客席はあたたかく、アウターは早々に脱いで座席の背にかけた。司会のGeorge Williamsから開会の挨拶と注意事項の案内*14があり、みんなのキラキラの笑顔の中、とうとうSAIが始まった。
東京スカパラダイスオーケストラ
1. TONGUES OF FIRE
2. DOWN BEAT STOMP
3. 銀河と迷路
4. Can't Take My Eyes Off You -君の瞳に恋してる-
5. Glorious
6. 水琴窟-SUIKINKUTSU-
7. 追憶のライラック feat. 大木伸夫(ACIDMAN)
8. Paradise Has No Border
朝10時に配置していい人たちじゃない(褒めてる)。谷中は「朝いちばんだから誰も来てくれなかったらどうしよう、って心配だった」みたいなことを言っていたけど、スカパラみたいな楽しい音、浴びに来ないわけないじゃん。TONGUES OF FIREの一音目を全力でぶつけられて、一瞬で "今日がどんな日になるのか" がわかった。
DOWN BEAT STOMPではみんな両手を上下にシャカシャカ振りながら踊っているのが席から見えて楽しかった。私の前後左右にはまだ人がいなかったので、スタンド席だったけど立ち上がってもちろん踊った。みんなFANTASISTAだよ!
銀河と迷路は私の最推し・福山雅治が若い頃に主演したドラマの主題歌で、その縁で大好きになった曲だ。最近だと04 Limited Sazabys(フォー・リミテッド・サザビーズ)がカバーしたようだけど*15、オリジナルボーカルの茂木くんの声で聞けてすごく嬉しかった。ドラムボーカルってすごいよね。ドラムってあんなに大変そうなのに…。
Can't Take My Eyes Off You -君の瞳に恋してる-はギターの加藤くんのタイトルコールで始まったが、椎名桔平みたいなトランペットの人(後から調べたらNARGOさんというらしい)がカメラに向かって微笑みながら手でハートをつくってくれて、Can't Take My Eyes Off NARGO -おまえの瞳に恋してる- になってしまった。しかもNARGOさんは途中でステージ中央に置かれたお立ち台(?)に横向きに座り、なんとお尻を支点に体をVの字にしながら演奏する(伝われ)という腹筋爆散奏法を披露した。あんたが優勝だよ。
追憶のライラック feat. 大木伸夫(ACIDMAN)ではオオキ先生(私はこう呼んでいる)がスカパラと揃いの白いジャケットを纏って登場して、あら〜〜素敵なジャケットつくってもらってよかったね〜〜〜☺️になった*16。
Paradise Has No Borderも大盛り上がりで、ハスキーボイスがセクシーな人(後から略GAMOさん)が
「オーケイ!それじゃあ、いつものやつやっちゃうから!」
「この会場で!!どこが一番盛り上がってるんだ〜〜〜〜!!?」
と叫び、突如 "いつものやつ" が始まった。実はスカパラのグッズを買うときに『GAMOさんこっちこっち』と書かれたタオルを見つけて、どういう意味だろう…と思っていた謎がここで解けた。
「そこか!!そっちに行くぞ〜〜〜〜!!」
「こっち最高だ〜〜〜〜〜!!今度はそっちに行くぞ〜〜〜〜〜!!」
と数人のメンバーを引き連れて下手上手と回ってくれてすごく楽しかった。こういうの大好き。歓声を上げたかったな…と少しさみしくなったけど、そんなの秒でぶっ飛ばしてくれる、終始ゴキゲンな音楽だった。ありがとうスカパラ。朝10時40分時点で私の体力はゼロだよ。
DOPING PANDA
1. Imagine
2. The Fire
3. Hi-Fi
4. beautiful survivor
5. Transient Happiness
6. MIRACLE
7. Silhouette
8. Crazy
観客の手拍子に出迎えられて登場したメンバー。ユタカは全身真っ白な衣装だった。
は?
スターじゃん
それ広い会場のどこからでも見つけてもらえるように福山雅治がやるやつじゃん
参考画像
ユタカは黒髪を時々振り乱し、かき上げたりしながら、黒縁眼鏡の向こうでマジになっていた。Imagineはその気合いが伝染してちょっと圧倒されて立ち尽くしてしまった。けれど予感に煽られて速度が上がっていくフロアの鼓動を映したような、それでいてそんなユタカの背中に手を添えるようなイントロのHAYATOくんのバスドラ*17が頼もしい。ギターの間奏のリフ*18も最高だった!
Hi-Fiは歌詞ですらない息を吐くような「ah!」みたいなのも再現してくれて感動した。しかも間奏ではステージの最前ギリギリに立ってライトハンド*19をたっぷり見せてくれた。うますぎる。ギターうま男(お)じゃん。昨今はギターソロはウケないとかいうのは嘘です。めちゃくちゃ盛り上がってたしめちゃくちゃかっこいい。辞書でライトハンドって調べたらフルカワユタカって出てくる。
そして、高校生のとき唯一知っていて、好きで、思い出して、今日ここに連れてきてくれたのが Transient Happiness だった。この曲はHAYATOくんもコーラスしてくれて楽しそうだ。ベースのTAROくんも楽しそうでよかった。ところでピンクのセットアップかわいいね。
「もっといこうぜ」
「俺たちはいくよ」
と言ったユタカが間奏で華麗にソロを弾きながら開脚ダンス*20してくれてすごく嬉しかった。想像より30センチくらい広く足を開いてくれる。体やわらかくてかわいい。テレキャスター*21から繰り出されるジャキジャキのサウンドが気持ちよくカッティング*22されていく。ここでもライトハンドが炸裂して、ギタリストの顔も惜しげなく見せてくれた。聞けばユタカは自他ともに認めるロックスターで、周りからもファンからもそう呼ばれているらしい。なるほどね。どこかの曲中でユタカが「I'm a rockstar!!」と叫んでいたけど、I'm YOUR rockstar って名乗っていいよ。You are my rockstar...。
冒頭からアガりっぱなしで泣く暇もなかったのだけど、再結成後に発表したアルバム収録曲Silhouetteで涙腺がとうとう決壊した。
それは素敵なシルエット
夢にまで見たシルエット
ねえ聞こえるそこまでこの声?
ここで踊ろうジュリエット
それは素敵なシルエット 忘れようのないシルエット
君にまた会う日まで 僕はあの日のままで
ねえ聞こえるこの声? 張り裂けそうなこの胸
ここで踊ろういつまでも
It’s the only one silhouette
私「聞゛こ゛え゛て゛る゛よ゛ユ゛タ゛カ゛ァ゛!゛!゛!゛!゛!゛!゛!゛」(実際には叫んでいません)
輝きの中に立つ夢にまで見た素敵な忘れようのないthe only one silhouetteそれはユタカ。いつまでもここで踊っていたかった。けれど、始まってしまったからには終わりがある。最後に演奏してくれたのはCrazyだった。
I am sorry me ミラクル起こせなくてさ
でもファイヤーは 赤く焦がれ続けてる
今話す声は世にあわせ覚えた台詞と違うから
だからもっと伝わるよリアルに
そう誰に捧げる歌じゃ無いんだ
もうちょっと
「高く飛びたいから」
ステージを足元を指差しながら、小声で囁くように歌ってくれた。
正直に言ってユタカは歌唱力にまだまだ伸びしろがあり、声で魅せるタイプのシンガーではないと私は考えているけど、それを補って余りあるほどの "ライブセンス" とも呼べるものがあるのだと思う。Crazyのこの箇所はCD音源では普通の声量とトーンで歌われているのだが、ここをライブアレンジしようと思ったら例えば叫ぶようにとか、話すように歌うとかが思い浮かぶところを、「小声」って。音が一瞬だけ止むところだからこそできる所業。天才か。しかも続く、
今君が息を吐く世界を もっと自由に揺らしてみせた
すごいだろ
ねえギュッとしよう
Gonna be crazy
の「ギュッとしよう」のところで胸の前の空間をそっと握るような仕草をしていた*23。私のハートでも握ってんのか?おかげさまで私の心はgonna be crazyだよ。
かと思えば最後に
ここで息を吐きながら
君をもっと
「揺らしてみせただろ?」
私「ヴ゛〜゛〜゛〜゛〜゛〜゛〜゛〜゛〜゛〜゛〜゛〜゛〜゛!゛!゛!゛!゛!゛!゛!゛」(号泣)(ちょっと声出た)
歌詞を変えてきた*24うえに、自信たっぷりに、話すように歌ってくれた。「高く飛びたいから」で話さずに、ここでそうするとか、センスありすぎる。こわい。けれど、「揺らしてみせただろ」って言ってくれるくらいにはこの景色が伝わっていたということだろうか。だったらいいな、と思う。
10年以上前にたった1曲だけ知っていて、そのこともつい最近思い出したばかりのこの状態で、どうしてここまで刺さるのか全くわからないけど、これはほとんど恋だよ。
とMCでユタカが言っていたけど、実現したらマジでチケット取るからな。
ソウルメイトが*26。
SiM
1. Light it up
2. Blah Blah Blah
3. Dance In The Dark
4. The Rumbling
5. The Sound Of Breath
6. KiLLiNG ME
「シム」と読む。ソウルメイト曰く、周りにいたback number(バックナンバー)ファンが「なんか怖い人来た…」と怯えていたらしい。そのようなパンクでロックなビジュアルから繰り出される音はもちろんロックなのであった。Blah Blah Blahは予習不足な私でも耳に覚えのあるたぶん代表曲みたいなもので、これは楽しくてかっこいいやつだとすぐにわかって、手を振り上げてノリノリで楽しんだ。隣の人がSiMファンで、緑色に光るリストバンド?を付けてゴキゲンに踊っていてすごくよかった。
続くDance In The Darkはサビでのノリどころのタイミング(「suck, suck, suck」の3拍と、「shut, shut」「cut, cut」の2拍ずつのところ)が最初掴めなくて、もったいないことしたなと反省した。最新アルバムを聴くだけじゃなくてライブ映像も観ておくんだった。
まったく個人的な音楽素人の感覚だけど、こういうカリスマボーカルを抱えるタイプのバンドは演奏レベルが高くて、うるさいだけではないところがとても素敵だと思う。
The Rumblingはアニメとのタイアップだったことがバックスクリーンの映像で察せられて、幅広い活躍ぶりに感心したところで、いつもは自分たちが先輩ポジションで偉ぶっていられるのに今日は先輩たちに囲まれて朝から挨拶回りに勤しんでやりづらい…というMCにニコニコした。MCやパフォーマンスのスタンスは全体的に、たぶん愛のある毒を吐いてまわる感じであまり好きなタイプではないんだけど、スポットライトを浴びてアリーナの壁に浮かび上がるボーカルMAHの影は痺れるほどかっこよかったし、KiLLiNG MEは文句なしに楽しかった。
ラーメンタイム
ごめんねback number。
MINATOYAさんの豚肉バオと麺屋一悟のラーメン。海苔に一悟くんのお顔がプリントされているこだわりっぷり
ソウルメイトとはこのタイミングでの食事で合意が取れていたので、SiMが終わって、次のback numberのためのステージセッティングタイム(転換)になったところでフードエリアに移動。室外なのでパーカーを着た。昼時なのである程度の気温があることもあり、アウターは席に戻るときの目印にと思って置いていった。
既に麺屋一悟*27は長蛇の列だったため、ソウルメイトに並んでもらい、私は彼女のリクエストで焼売とCOEDOビールを買いに走った。バオは焼売のお店で売っていて、美味しそうだったので私が食べることにした。お兄さんがバオにパクチーを入れるかどうか聞いてくれて、ありがたく抜いてもらった。苦手なんだよ、ごめんね…。
座れるところをうまく見つけられなかったので、ほぼ地面に座り込んで食べた。バオは皮が甘くて、あったかくて、お肉がやわらかくて、長ネギが最高で、とても美味しかった。ラーメンも引くほど美味しかった。有料トッピングの煮卵はもう売切だったらしい。でも美味しくて、スープもいただいた。太麺で、ちょっとこってりだけど全然いやらしさがない。こだわりすぎて全然利益が出ないらしい。そうでしょうね。
氣志團
1. 房総魂
2. NIGHT THE KNIGHTS
3. One Night Carnival
4. One Night Carnival 2022 〜造花が踊る〜
5. 落陽
6. MY WAY
「きしだん」。ぜったい楽しいってもうわかっていた。房総魂ではなんと歌詞がモニターに表示されて、や、やさしい〜!と感動した。「BORN IN THE BOSO」と表示されるので、あとからプレイリスト作成のために調べものをするまで房総じゃなくて暴走だと思っていた。すみませんでした。
続くNIGHT THE KNIGHTSはシンプルにかっこいい曲だった。氣志團、バンドとしてレベルが高すぎる。ステージには大きな旗を持ったひとたちが登場し、キレッキレに爆走する音とボーカルに合わせて左右に靡かせて沸かせてくれる。この時点で、氣志團のスーパーエンターテイナー魂に大興奮である。このパフォーマーさんたちのお名前は、フェスの最後にモニターに出演アーティスト名とそのメンバー名が順番に表示されていくハイライトタイムでも、氣志團メンバー名とともに載っていた。パフォーマーさんたちにもちゃんともう一度拍手を送りたかったので嬉しかった。ACIDMAN側が当然載せたのか、氣志團側が依頼したのかはわからないけど、好感が持てて素晴らしい。
ところで私みたいに氣志團のライブを初めて観る人も少なくないと思うのに、One Night Carnivalは全員踊れるやつで笑ってしまった。しかし、曲の途中、ああここはお客さんとのコール&レスポンスタイムかな、拍手で応えたらいいかな、というタイミングで、音が止んだ。
「本当ならこのあとのサビは、みんなと一緒に歌うところで。俺はこの瞬間がすごく好きで、一つになるってこういうことなんだなって。でもこの2年半、いや、もう2年10ヶ月近い──みんなの声を聞いてません。しょうがないよね、こんなご時世で、マスクしなきゃならねえとか、暴れちゃならねえ、距離を取らなくちゃいけねえとか、酷いときはライブハウスも1/3しか人を入れちゃいけねえとか…。
人生で初めてめげたし、しょげた。みんなもそうだったと思う。こうやって、たまの休みに都合つけて、"好き" に触れて、また明日から頑張ろうって、そうやって生きてきたのに、それも全部取り上げられて。俺はこの通りパッパラパーだから、これしかできねえのに、しまいには俺たちみたいなのは不要不急だなんて言われて。何もできなくて、情けねえなって思ったけど、じゃあそれを誰にぶつけたらいい?国か?違うな。親か?違う。そんなのはみんな、持て余しちまう。
いいかい、みんなにこれだけは伝えておくぜ。みんなが困ったとき、助けを求めていいのは──先輩だ!
いいか、お前らが実際いくつなのか知らねえし、いくつと名乗ってるのかも知らねえ。けど、俺たちのライブに来たからには、お前ら全員俺らの2個下!綾小路翔、永遠の16歳。つまりお前らは──14ちゃいだ。思春期だ。ほかの国は知らねえけどな、この国じゃ、困ったときは先輩が助けるって決まってんだよ!
──お前ら、先輩に任せられるか。先輩に委ねられるか。先輩が全部教えてやる。お前らの疑問に全部答えてやる。お前らが疑問に思ってること、それは───
"この2日間の中で、なんで氣志團なん?"
"なんで漢字3文字入ってるん?*29"
"お願いだから、明日の誰かと交換して!ミスチル!ミスチル!いや、エルレ!!"
あるわ!!!そもそもACIDMANと氣志團は、同じ年に結成した同期のサクラだ!つまり俺たちは、ほぼACIDMANだ!ACIDっていうのは、"酸" だ。お前ら、嗅いでみろ!(ここで一斉に自分の腋に鼻を寄せるバンドメンバーたち)『うーん、酸っぱい』。──俺たちがどれだけACIDMANか、証明してやる。氣志團改めACIDDAN、いやKCIDMAN。
新曲、One Night Carnival 2022 〜造花が踊る〜」
正直、半泣きだった。会場みんなそうだったと思う。すると次の瞬間、突如ステージに巨大なフラワーロック(明らかに人間が仮装している)が現れ、One Night Carnival 2022 〜造花が踊る〜が始まった。ACIDMANには造花が笑うという持ち歌があるのだが、この曲と氣志團の永遠の名曲One Night Carnivalをミックスするという豪快かつ緻密な力技を、氣志團は見事にやってのけた。バックスクリーンにはACIDDANとKICIDMANのロゴが交互に映し出され、アレンジも歌詞も入り乱れながら螺旋のように駆け上がっていく音の中で、泣き笑いの顔のまま、もう先輩に全部委ねようと思った。フラワーロックは激しく踊っていた。
そのあとに夕陽のような照明の中で歌い上げてくれた落陽も、光みたいに真っ直ぐに届いたMY WAYも、最高にかっこよかった。ありがとう氣志團。一生の思い出です。
LOW IQ 01 & THE RHYTHM MAKERS+
1. LITTLE GIANT
2. SNOWMAN
3. SWEAR
4. WAY IT IS
5. Starting Over
6. Delusions of Grandeur
7. So Easy
8. Makin' Magic
「ロウ・アイキュー・イチ・アンド・ザ・リズム・メイカーズ・プラス」と読む。普段はソロで活動しているLOW IQ 01くんが率いるバンド。完全初見のノー予習で、ユタカがサポートギタリストを務めているという一点のみを理由に鑑賞しましたが、なかなかどうして楽しかった!
本当に01くんはお名前以外何も知らなかったから、なんとなく大橋トリオみたいな朴訥な青年を想像していたら、やたらモードなお兄ちゃんが出てきてびっくりした。人の良さそうなドラムの山﨑さん、これまた人の良さそうなギターの渡邊さん、そしてロックスターユタカという優しそうな人たちに囲まれているので、まあいい人なんだろうなと思った。01くんは真っ黒なベースを構えながら、ギターの準備中のユタカに「よう、ロックスター」と話しかけて絡んだりして、ユタカも何だよ…みたいに反応していてかわいかった。一生やってろ。
ちなみに、ユタカはお着替えしていた。それライブの前半後半でお色直ししてファンサービスする福山雅治がやるやつじゃん
参考画像
LITTLE GIANTもSNOWMANも、バンドも観客もみんな楽しそうだった。"楽しい音" ってこれだよな、と思った。ギタリストなユタカもたいへん楽しそうだ。ギター弾くの好きなんだろうな。ドーパンで鳴らしてくれたのとたぶん同じテレキャスターで、時にステージをうろうろしながらもきっちりコーラスもやってくれる。
Starting Overは明日出演するELLEGARDEN(エルレガーデン)のギターボーカル細美くんと、BRAHMAN(ブラフマン)のボーカルTOSHI-LOWが参加しているらしいが、サプライズゲストで登場するなんて野暮なことはなく、どっしりと構えた中に滲む、かすかな郷愁にも似たメロディーが01くんだけからシンプルに届いてきた。重厚なベースが心地いい。曲中で渡邊さんがロボット?のような動きで楽しげにカクカクとユタカに近寄り、ユタカもつられてニコニコしながら同じような動きで応えるというハッピーが巻き起こっていた。
そして、心なしかドーパンのときよりユタカに笑顔が多い。山﨑さんもニコニコしてくれる。クールにきめてくれるのも素敵だけど、音楽はやっぱり笑顔がいいよ。
笑顔*30
イチャイチャすな(しろ)
続くSo Easyではギタリスト2人が小気味良いリフを奏でていく。一瞬裏拍みたいになるところ(伝われ)でユタカが一瞬だけ足をパカッてしてすぐスン…と戻しててかわいかった。
この場面だけでなく、ステージ上でユタカは果たしてロックスターだった。もちろん主役は01くんなので、食うようなことはしないけど、低く構えてみせたり、ウロウロしたり、山﨑さんに絡みに行ったり、うざったらしくならない濃度のアクションがいちいち絶妙だ。渡邊さんも楽しそうに動き回る瞬間があり、そういうときは決まってユタカがきちんとマイクの前にいる。逆も然り。チームワークと、それぞれがキャリアの中で培ったセンスの成せる技なのだろう。いいものを観させてもらいました。プロってかっこいい。
Makin' Magicでいちばん感じたけど、このバンドは徹頭徹尾「これをバンドで演奏したらどんなに楽しいだろう」と思わせてくれる音だった。ただ聴いて楽しいだけじゃなくて、向こう側になってみたいと思える音はもっと楽しくて好きだ。ありがとうLOW IQ 01 & THE RHYTHM MAKERS+。
あと最後、演奏を終えて退場していくユタカの、ギターストラップ*31が掛かっていた左肩から背中にかけてシャツの色が変わっていて、セクシーすぎてどうにかなってしまいそうだった。
クレープタイム
ごめんねMAN WITH A MISSION。
フェス飯はがっつりごはん系だけではなく、スイーツも売っているのだ。後半戦へのエネルギー補給には甘いものがよい。これは5年前に第1回目のSAIにソウルメイトと参加したとき、興奮と踊り疲れで後半へろへろになり、「おい!パフェ食べようぜ」となって2人でパフェを食べて回復した経験からきています。
5年前の回復アイテム、パフェ
ガン開きしっぱなしの目のケアのため、ソウルメイトはこのタイミングで目薬を買っていた。タオルを振り回す曲があったりすると繊維やホコリも舞うので、心配な人は持参するといいかもしれない。
MAN WITH A MISSIONは最後のGet Off of My Wayのラスト1分くらいだけ聴けた。「Get on, get on, get off...」と繰り返される印象的なサビに合わせて、爪を立てるみたいな形にした手を交互に突き上げて踊った。
STRAIGHTENER
1. Graffiti
2. SAD AND BEAUTIFUL WORLD
3. シーグラス
4. Lightning
5. 宇宙の夜 二人の朝
6. 冬の太陽
7. TRAIN
「ストレイテナー」と読む。私の中では実家のような安心感があるバンド。良くも悪くも優等生という感じ。宇宙の夜 二人の朝が好きだなと思った。タイトルから受けた静かなイメージとは裏腹に、けっこうロックな感じで、海の中が意外とうるさい*32のと同じで、宇宙も案外うるさいんだろうか、などと考えた。
ギターボーカルのホリエくんがキーボードに向かうものが何曲かあって、多才でびっくりした。気持ちよくて途中ちょっとうとうとしかけたけど、最後までゆっくり楽しめて嬉しかった。ありがとうストレイテナー。
Dragon Ash
1. Entertain
2. Let yourself go, Let myself go
3. For divers area
4. 陽はまたのぼりくりかえす
5. 百合の咲く場所で
6. Fantasista
7. New Era
「ドラゴン・アッシュ」。5年前の第1回目のSAIにも出演した、ACIDMANの友達だ。
5年前は、今はもうバンドにはいない某ベーシストがサポートメンバーとしてプレイしていて、それがすごくかっこよくて好きだなと思ったんだけど、その人は数年前ある不祥事により辞めた。そんなわけで勝手にちょっと複雑な思いでいたら、Entertainでそんな気持ちごと全部受け入れてくれた。壮大なサウンドに相応しいサイズの懐を彼らが最初にさらけ出して、もしかしたら私もDragon Ashの仲間になれるかもしれないとまで思った。
陽はまたのぼりくりかえすにはなんとなくAIRっぽさというか車谷浩司*33サウンドを感じた。友達だから、影響を受けたりしたのだろうか。だったら楽しいな。思いきり歪んだギターの音がゆっくり歩く速さに合わせて、ドラムも歩いていく。「Friends now put your hands in Air!」とコーラスするドラムの桜井さんの姿があまりに優しくて夢かと思った*34。
ボーカルのKjは「俺たちのこと、サンドバッグにしていいよ」と言っていた。自分たちが誰にとっての何者であっても構わないし、そんなことで俺たちは傷つかない、とでも言うような絶対的な芯(信)に空恐ろしさすら感じる。もしかしたらDragon Ashは、ロックバンドというタトゥーが魂に刻み込まれた天使なのかもしれない。
ACIDMAN
1. to live
2. 造花が笑う
3. FREE STAR
4. Rebirth
5. 赤橙
6. 廻る、巡る、その核へ
7. 世界が終わる夜
8. ある証明
9. Your Song
本日の主役。満を辞しての1曲目to liveは私の好きな曲なので嬉しかった。きっと帽子が飛ばされるくらいの速度で音と言葉が一気にフロアに雪崩れ込み、一瞬で体温が上がる。そのまま唸るようなベースで築かれた道を走るしかなくなってしまった造花が笑う。氣志團の顔がちらつくのがにくい。
少しいたずらっぽいきらきらの星がステップを踏むようなリフのFREE STARも好きだ。そしてメロウな、けれど何度聴いても好きだな…と感じる赤橙。続く廻る、巡る、その核へは聴きながら半ば夢見心地になってしまった。アーティスティックなミニシアター系外国映画のエンディングテーマみたい。「聴く」というより「体験」に近い。(曲の長さが)8分はあったな…と思っていたら、後からソウルメイトが約10分ある曲だよと教えてくれた。普段はワンマンライブでしかなかなかやらないらしい。観客を信じてくれたのだろう。音楽ファン冥利に尽きる。
オオキ先生はいつの間にかギターをリッケンバッカー*35に持ち替えていた。世界一リッケンが似合う男だな。そしてスカパラの谷中と加藤くんがステージに呼び込まれて始まったある証明は、いつ聴いてもめちゃくちゃ盛り上がる。「海」「手を伸ばした」「丘」「追いかけた夏」「あの鐘」とJ-POP常套句が並んでいるのに、チープに感じないのは何故なのだろう。それにしても「吹き荒ぶ風の上に」のメロディーは完全にサビなのに、そのあと「今光の中」とそれ以上のものが来るのがずるい。振り上げた手を下ろすタイミングがどこにもない。
実はこのフェスは ACIDMANの結成25周年とメジャーデビュー20周年記念の祝祭を兼ねていて、出演アーティストはみんなACIDMANへの祝福と尊敬を体現していたのだが、オオキ先生はそのことへ真っ直ぐに感謝を語っていた。ものすごく嬉しそうだった。祝ってもらって嬉しいのか、それとも今もずっとみんなの心を揺らし続けているアーティストたちの渾身のライブをただ楽しんでいたのか、その両方かもしれない。音楽って楽しいし嬉しいよね、と勝手に私まで嬉しくなってしまった。音楽の魔法を信じていると話してくれたオオキ先生に、私もだよ!と叫ぶ代わりに大きく手を挙げて応えた。
最後に演奏してくれたYour Songは英詩で、バックスクリーンに和訳が表示された。こういう、1対1が聴き手の数だけあるような歌が好きだ。繰り返しくりかえし歌われる「You're okay (あなたは大丈夫)」を、そっくりそのままで ACIDMANに返したい気持ちでいっぱいだった。
I'm standing here (私はここに立っている)
I accept your fate (あなたの運命を認めます)
I accept your fight (あなたの戦いを認めます)
この世界は本当は全然大丈夫なんかじゃなくて、戦いの土俵にすら上がれないことや、これは戦いなのだと叫ばなければ存在しないことにされてしまうものがたくさんある。この歌はそうやって生きていくことの、ほんの少しの助けになるかもしれない。また明日から、もう少し生きていけそうな気がした。
25年間ずっとロックバンドでい続けた運命、25年間の戦い、明日からも続いていくこと。それを認める今日集まったアーティストたち。
ACIDMAN, you're okay!
エンディング
「集合写真撮っていいですか?」と言い、全ての演奏を終えたステージに、最後まで見守ってくれていたアーティストたちをオオキ先生が呼ぶ。ぞろぞろと集まる男たち。全員呼んだはいいものの段取りがわからず、「仕切って!仕切って!」とそのあとを丸投げし、MAN WITH A MISSIONのギターボーカルJean-Ken Johnny (ジャンケン・ジョニー)に「ガゥガゥ、ガゥガゥ!ガゥガゥ*36」と話しかけて座り位置を指示するオオキ先生。弾ける笑顔でユタカの肩を一瞬抱き寄せるスカパラ谷中。ニコッとするユタカ。宇宙に感謝する私。
客席を背景に撮ってもらったあともオオキ先生は「すみませんね…」と観客にペコペコしながらバックスクリーンを背景にもう1枚撮ってもらっていた。「とりあえず僕たちのしゅきぴ全員にオファーしました」レベルのレジェンド同窓会の集合写真。それをただ見守った私たち観客はたぶん全員親戚みたいな笑顔だったと思う。
何枚でも撮りなさい(ユタカはどこ見てんの?)
とうとう撮り終わったあとは規制退場になった。終演後のクローク引取はものすごく混むので、帰りの時間の都合がある人は、最後のステージ開始前に引き取っておいたほうがいいかもしれない。ソウルメイトは明日も参加するためホテル泊なので、現地解散となったが、ACIDMANのステージでアリーナ席に降った金テープ*37を1本分けてくれたのでありがたく受け取った。彼女はフライングスター(?)*38もゲットできたようだ。触らせてもらったら、ある程度のしなやかさはあったけど、保管方法には苦労しそうだなと思った。金テープもフライングスターもスタンド席には届かなかったが、アリーナの通路に落ちたものはスタッフさんたちが拾って周りに渡してあげていたり、会場外でも「金テープ配ってまーす!取れなかった方どうぞ〜!」と配りまくっている参加者もいて、みんな優しかった。テープ、塊みたいに落ちてくることあるもんね。テープが届く範囲の良席に座れたことないから知らんけど。
そして、会場を出るとき、スタッフさんから参加者全員に線香花火が渡された。覚えていたいと思うほど、線香花火が終わるよりも早く記憶から消えてしまうエンターテイメント。とてつもないその贅沢と儚さをお土産に持たせてくれるACIDMANは、やっぱり素敵なバンドだ。
終演後に起動したSAIオフィシャルアプリの粋な仕様
また会おうね
おまけ
*1:カウントダウンジャパン。年末に数日間開催される室内音楽フェス
*2:大規模フェスではいくつかのステージが会場内に散在しており、ほぼ同時進行でパフォーマンスが行われるため、Aステージで目当てのアーティストのライブを観たあと、Bステージに移動して別のアーティストのライブを観ることがある(もちろん同じステージにずっといてもいい)。あるいはBステージとCステージの両方に目当てのアーティストがおり、しかも出演時間が重なっているため、一方を諦めなければならない、といったことも起こる。また、ステージの入退場は自由なので、Bステージのライブの途中で抜けて、Cステージのライブに移動することもできる
*3:会場は第1回目も今回もさいたまスーパーアリーナである
*4:大規模な夏の野外フェス。海外アーティストも多数出演する
*6:DOPING PANDAのファンのこと
*7:曲名。解散以前に発表されている
*8:「Crazy」という曲の冒頭の歌詞。解散以前に発表されている
*9:そこそこの規模のフェスには備わっていることが多いサービス。荷物を会場で預かってくれる。有料、事前予約推奨。当日会場でも申込できるけど枠には限りがある。大抵は45リットル前後のゴミ袋を渡されて、その中に詰め込むスタイル。預けるときには引換券を渡される。多くの場合、出し入れは自由
*10:フェスに出演するアーティストのオフィシャルTシャツを着ている人も多い。なんなら出演すらしないアーティストのとかもたまに見る。あとはほかのフェスのオフィシャルTシャツとかもアリ
*11:複数日で開催される場合は、その日に出演するアーティストのグッズがその日に並ぶ。例えば、2日目にしか出演しないアーティストのグッズは、2日目にしか売り場に並ばないことが多い。各アーティストが持っているグッズの中で何が店頭に並ぶのかは、各アーティストがSNSなどで事前に発信していることもあるので、ラインナップを知りたい場合は確認しよう
*12:後ろの席の人などへの配慮として、背の高い帽子や、頭より高い位置に髪がくるような結び方は避けるのが無難
*13:入退場は自由で、再入場の際にリストバンドの提示を求められる。このリストバンドは再発行されないので、失くさないよう手首の確認を意識しよう
*14:ダイブとモッシュ(ライブの盛り上がり方のひとつ。ダイブは、観客が周りに胴上げのように担ぎ上げられて、客席エリアからステージ側に向かって流され運ばれていくこと。モッシュは、おしくらまんじゅうのように観客同士が激しく体をぶつけ合って楽しむこと)は禁止。声出しは断続的なものは禁止。マスク着用必須
*15:2019年にトリビュートアルバムにて参加
*16:スカパラはゲストボーカルに毎回揃いのスーツをつくってくれて、それがたいへん人気らしいのだ。いつだったかCDJのステージ上でマキシマムザホルモンのナヲちゃんが谷中のジャケットを強請って奪っていた
*17:バスドラムのこと。いちばん低い音が出る、いちばん大きなドラム。ドラマーの足元に設置されており、足でペダルを踏んで叩く
*18:曲中で繰り返し登場する、印象的なフレーズ
*19:ライトハンド奏法。タッピングともいう。エレキギターの弾き方のひとつ。弦に指を叩きつけることで音を出す
*20:間奏でユタカが足をパカパカ開いたり閉じたりしながらギターソロを弾いてくれる、この曲のハイライト。ハポネスステップともいうらしい
*21:エレキギターの種類のひとつ。私の相棒もテレキャスター。おそろいだね
*22:ギターの弾き方のひとつ。音を鳴らすタイミングと鳴らさないタイミングを断続的にコントロールすることでリズムをつくる
*23:2022年12月20日追記:昨日Amazon Musicで期間限定配信が始まったSAIのアフタートーク会で流れた映像を確認したところ、幻覚でした。ピック持ってる手でこの仕草は無理でしょ。それはそう。申し訳ありませんでした。でもそんな感じの手の掲げ方だったじゃん!!
*24:本来の歌詞は「揺らしてみせるんだ」
*25:タイバン。1つのライブイベントで複数のアーティストが共演すること
*26:私ももちろん頑張るよ!!
*27:めんやいちご。ACIDMANのドラムの一悟くんが大のラーメン好きで、それが高じて、ACIDMANが出演するフェスなどでは彼がプロデュースした本格派ラーメンのお店が出店される
*28:もう記憶があやふやなので、必ずしもこの通り話していたわけではないです
*29:出演アーティストの名前が軒並み横文字なので、漢字3文字の氣志團はめちゃくちゃ目立っていた
*30:ユタカのインスタで公開された写真。ギタリストが2人ともギターから両手を離してしまっているが、ドラムとベースから始まるDelusions of Grandeurのイントロ部分での出来事なので問題ない、とはユタカ談。インスタのコメントで01くんに「2人で何してるんですか🤣🤣🤣」とツッコまれ、「絶対delusionです!!🤣🙇♂️」と返していた
*31:肩に掛けて担ぐために、ギター本体に取り付けるベルトのような製品。様々な色や素材やデザインがある
*33:くるまたにこうじ。90年代にSpiral Lifeというユニットで活動後、ソロに転向し、AIRとして活動。現在はLaika Came Back名義
*34:桜井さんはフードエリアで桜井食堂なるカレー屋さんを出店し、なんと手売りしてファンと2ショットを撮ったりしていたらしい。なんていい人なんだ…
*35:エレキギターの種類のひとつ。くるりの名曲「(It's Only)R'n R Workshop!」の歌詞にも登場する
*36:MAN WITH A MISSIONのメンバーは全員究極の生命体で(狼のかぶりものをしている)、人間の言葉を話すのはJohnnyだけである
*37:略して金テ。ライブの盛り上がりポイントで使用される特殊アイテムのひとつ。その名の通り金色のテープで、キャノン砲で高く打ち上げられて客席に大量に降り注ぐ。テープには、ライブのタイトルや、アーティストからのメッセージが書かれていることが多く、ライブ参加の思い出として観客に重宝される。ただし、テープが届くエリアは狭く、基本はアリーナ席のみで、それでも座席によってはほとんど届かない。この日の金テープには、日付と、この日の全出演アーティストのロゴが印刷されていた
*38:ACIDMANのステージで客席に降った、手のひらサイズの星型のアイテム。薄い発泡スチロールのような素材で、紙吹雪のように舞いながら落ちてきた。フェスのロゴが印刷されていた