頭の中のさまざまのこと

すきなこと、考えていること

ヤバい歌詞の話

語彙力がなくてすまない。とりあえず聞いてほしい。

 

私は日本で生まれて、日本で育って、両親も日本人で、日本語を母国語として生きてきた。そして日本語をそこそこ愛している。つまり日本語の歌も愛している。

そんな私の欠落した感性に響いたヤバい歌詞の話をこれからする。

挙げてはみたけど本当に偏っている。もはや私の性癖そのものと言ってもいい。自分について説明する時、「27歳」「自分のことを女だと思ってるタイプの女」「ハンバーグが好き」とか話すより「こういう歌詞にグッとくる人間」て説明したほうがわかってもらえるかもしれない。そういう感じだ。

ちなみに順不同だ。今後もヤバい歌詞に出会ったら追記するかもしれない。

 

 

 

 

 

赤いタンバリンBLANKEY JET CITY

あの娘のことが好きなのは

赤いタンバリンを上手に撃つから

流れ星一個盗んで

目の前に差し出した時の顔が見たい

はい天才〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!

まず注目したいのはタンバリンに対する「撃つ」という動詞。タンバリンは「打つ」が正しいのだが、作詞者の浅井健一は天才なので、赤いタンバリン心臓に見立てているのである。ハートを撃ち抜いてくるので、「撃つ」となるのだ。クゥ〜〜ッ!!憎いね!!と川平慈英ばりに唸ってしまう。ちなみに「娘」は「こ」と読む。

更に憎いのが、次に続く「流れ星一個盗んで   目の前に差し出した時の顔が見たい」のフレーズ。これは一体何?初めて聞いた時あまりにもエモすぎて無理で暴れ回ってしまった。この一文で宇宙のように膨張する想像を浅井健一は知っていたのか?このたった一文で星屑がこぼれ落ちるような光景を、その流れ星だけが知っているのか?マジで無理。最高。ヤバい以外に感想がない。ヤバい。最高。ありがとう。

http://j-lyric.net/artist/a0039dd/l000117.html

 

 

 

危険すぎる/浅井健一

Hey baby こっちにおいでよ

そこはあまりにも危険すぎる…

ベッドから落ちるぜ…

さらわれちゃうよ

さらってくれ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!

BLANKEY JET CITYでお馴染み、ベンジーこと浅井健一のソロ曲。バックでずっと聞こえているセクシーなコーラスは椎名林檎女史という最強の布陣である。この歌の詩は最初から最後までヤバいのだが、全文掲載するわけにもいかないのでサビを抜粋した。

誰かを自分のほうへ呼び寄せるのに「こっちにおいでよ」はわかる。これはある。ラブソングの定番フレーズ感すらある。けれどもその理由として次に続く「そこはあまりにも危険すぎる…」。一体何がそんなに危険なのか?そんな誘い方をしてくるおまえのほうが危険なのでは?そして「ベッドから落ちるぜ…」。

これは私の妄想なのだが、あまりにも危険すぎる場所にいるそいつは、シャワーのお湯が途中で止まり、リモコンのボタンはほとんど全部ないレベルの安モーテルの二人きりの部屋の、これまたボロボロのベッドの上で遊んでいたのではないだろうか。ボロすぎて逆にテンションが上がってしまったそいつはそのベッドではしゃぎ始め、それを少し面白がりながら、もう一人が言うのだ。「Hey baby こっちにおいでよ   そこはあまりにも危険すぎる…   ベッドから落ちるぜ…」。そしてトドメの「さらわれちゃうよ」。この退廃的かつ排他的な雰囲気の中で確かに感じる気怠げなLOVE。ア〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜無理セクシーすぎ最高大好き攫って。

http://j-lyric.net/artist/a04af17/l00a5a4.html

 

 

 

幸福論/福山雅治

「幸せ」を難しく考えずに

語り過ぎずに

未来永劫変わらないモノと

期待し過ぎたりしないで

そのつど自然と降りてくる

この感じをつかまえて

それで日々を繋いでいくんです

わかる〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!!!!!!

これが世界の真実すぎる。私はこれを支持する。幸福に対する完全なるそれな案件。完全に推せる。

幸福”論”というタイトルなので、歌詞ではもちろん幸福について論じられなければならない。しかし作詞者の福山雅治は天才なので、それを説明しすぎないのだ。

実はこの前段で幸福感について「それは人類60億もの   年齢、性格、体質にそって   主観的であるべきです」と述べている。このまま理詰めでいくのかと思いきや、「そのつど自然と降りてくる   この感じをつかまえて」と非常に抽象的な描写が入るところがたまらない。曖昧で抽象的なものに対するアプローチとして、きっちりカッチリ説明しようとする姿勢と、ふわふわしたままそっと言葉にしようとする姿勢のバランスが天才。加えて「期待し過ぎたりしないで」の裏に透けている若干のいい意味での諦めに、人生の先輩としてのポップなアドバイスを感じるが、全く嫌味な感じがしないし、押し付けがましくもない。歌詞のこのさわやかな距離感はどこから来るのだろう。大好き。一生推す。

http://j-lyric.net/artist/a000671/l019573.html

 

 

 

Good Bye Nautilus 〜さよならノーチラス号〜/Scudelia Electro

オートマティカルなスピードで

君の心   撃ち抜いて

駆け出した海は

悲しみ讃えるエメラルド

Good by my love, planet love

う、美しい……………………………………………………………。

バンド名は「スクーデリア・エレクトロ」と読む。アニメ『コンクリートレボルティオ』で挿入歌Time Slipperを担当し、演劇集団キャラメルボックスにも多数の挿入歌を提供している、石田ショーキチ率いるバンドである。この曲はそのまま『さよならノーチラス号』というタイトルのキャラメルボックスの舞台のオープニングを飾っており、この曲に乗せて踊られるダンスが作品の眼目のひとつとなっている(らしい)。余談だが私はこのバンドをNHKの神アニメ『王ドロボウJING』で知った。オープニングからエンディングまでまるっと担当している。超オシャレ。みんな観よう。

注目したいのは、英単語の綴りと漢字の使い方だ。タイトルではGood Byeなのが、歌詞中ではGood byになっている。調べてみたら、どちらも間違いではないが、一般的な綴りは前者のようだ。しかし、後者のほうはGod be with ya (神があなたと共にいますように)の短縮形というニュアンスがあるらしい。実は詩はこの後「神の胸にいだかれて安らかに眠る」と続く。ここを意識して敢えてGood byにしたのだとしたら、石田ショーキチ、素敵すぎる。ヤバい。あなたが神。最高。ありがとう。

漢字の使い方もヤバい。液体でいっぱいにする、という意味では「湛える」が正しいのだが、ここでは、褒める、褒めて名を言うという意味の「讃える」が使われている。悲しみを肯定してくれる。最高。しかも色はエメラルド。ヤバい。最高。

静かなる疾走感の果てに視界が開けて、そこにあるのはエメラルドの海。美しすぎる。最高。大好き。ありがとう。

https://petitlyrics.com/lyrics/68358

 

 

 

言葉はさんかく   こころは四角/くるり

言葉は三角で   心は四角だな

まあるい涙をそっと拭いてくれ

発想が天才〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!

さて、こちらもタイトルと歌詞中とで表記が異なっている。「さんかく (三角)」と「四角 (しかく)」だ。これについては私の個人的な文字に対する感性と完全に一致していてめちゃくちゃ気持ちいい。

本当に個人的な感覚だが、ひらがなとひらがな、漢字と漢字が続くより、程よく混ざっているのが好きだ。例えば「今何時?」より「いま何時?」が好きだし、「いまこの時」より「今この時」が好きだ。あと同じ漢字で2種類以上の読み方がある時は、なるべくひらがなにするのが好きだ。「辛い」を「からい」と読むか「つらい」と読むかは前後の文脈から判断できるが、漢字が目に入ったほんの一瞬は迷うことがある。それが嫌で、そういう単語を使う時はひらがなにすることが多い。

そういう感覚が私にはあって、だから歌詞中で漢字とひらがなが交互に登場しているのが気持ちいい。タイトルで空白スペースを挟んでひらがなが続いてるのも逆に気持ちいい。最高。天才。

あと普通に発想が天才。言葉 (三角)だけなら心 (四角)を埋めることができるけど、人生そううまくはいかないので、そこに涙 (まる)が入ってきてしまう。円は四角の中だと限りなくゼロに近い面積の点で接するので、円 (涙)がある限り、三角 (言葉)を駆使したとしても結局四角 (心)を埋め尽くすことはできない。だからそっと拭いてほしがる。そのささやかな重たい希望を軽やかに歌い上げる岸田繁、天才すぎる。最高。ありがとう。

http://j-lyric.net/artist/a000786/l00ad6a.html

 

 

 

I was walkin’ & sleepin’ /THEE MICHELLE GUN ELEPHANT

話しかけないでくれ

電話しないでくれ

笑いかけないでくれ

今言ったことは忘れておくれ

声をかけておくれ

たまには電話をくれ

笑顔を見せておくれ

ほっておいてくれ

は???????????????????好き。

バンド名は「ミッシェル・ガン・エレファント」と読む。THEEは誤字ではないが発音もしない。現在はThe Birthdayというバンドで活動しているチバユウスケが率いていたロックバンドだ。

余談だが、このバンドにはかつてアベフトシというギタリストがいた。彼は若くして急逝したのだが、その訃報がきっかけで私はこのバンドに出会った。ネックをまるで枝のように握る大きな手から繰り出される超絶カッティングは私を6歳に戻すのに充分で、たぶん同じようなギターキッズたちは世界中にいる。そうして彼は数々のギターキッズたちを生み出しては殺していった『カッティングの鬼』として人々に記憶されるところとなっている。最高なので是非聴いてみてほしい。

話を戻そう。この歌詞のかわいさが伝わるだろうか?冒頭で「話しかけないでくれ」から始まって散々拒絶しておいて、「今言ったことは忘れておくれ」と全く同じ調子でさらりと言うのだ。何?天邪鬼なの?ねこちゃんなの?そして「声をかけておくれ」と甘えておきながら最後は「ほっておいてくれ」と繰り返し、続いて「普通だよって言ってくれよ   毎日だって言ってくれよ」とおねだりすら繰り出してくる。ころころと変わる心模様をこんなにもかわいく表現できるものなの?ヤバい。もうやっぱりねこちゃんなのかもしれない。ちなみにチバがねこちゃんの気を引きたくてベランダから植木を投げ込んだエピソードは「キャンディ・ハウス」という曲の歌詞になっている。最高にアガる曲なので聴いてみてね。

ア〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜どう見てもカタギには見えない強面のチバがこの詩を書いているのを想像するだけで世界が救える気がする。こんなこと言われたらハア??????ふざけんなよってひとしきりキレた後でコーヒーとココアを淹れて、好きなほうをあげる。最高。大好き。長生きしてね。

http://j-lyric.net/artist/a0023f3/l018b43.html

 

 

 

White Surf Style 5./SUPERCAR

2029  風色サーフ

不可も可もない未来まで

街波サーフスタイル5.

不可も可もない広い世界

とりとめないいろいろに

静かに愛をまいてたい

気にとめないやさしさで

確かな今日を祝うのさ

単純に天才。

作詞者は石渡淳治。Superflyの「愛をこめて花束を」などの作詞者でもある。言語センスがヤバい。超新星爆発起こしてる。まずタイトルが神。「ホワイト・サーフ・スタイル・ファイブ」って。造語だと思うけど、どういう人生歩んだらこんな言葉が出てくるんだろう。そして意味があるようでないようであるような詩も最高。「とりとめないいろいろに   静かに愛をまいてたい」これだよこれ。てくてく歩きながら視界の隅にタンポポが映って、そのまま通り過ぎて歩き続けながらそのことを考えているような詩、大好き。しかも風のように流れ流されてふわふわした夢のような日々を思わせるのに、「確かな今日を祝うのさ」で、これが夢なんかじゃないことを知る。確かな今日なんだよな。嬉しい。本当にありがとう。神。

風みたいな詩の音も天才。「風色サーフ」「スタイル5.」から「不可も可もない」は同じ”ふ”で繋がれていて、「いろいろに」「まいてたい」から「静かに愛を」「気にとめない」へは同じ” i ”の母音で繋がっている。この音の流れがまさに街波サーフスタイル5.。天才。

http://j-lyric.net/artist/a0201f4/l011830.html

 

 

 

とりあえず以上だ!みんなの考えるヤバい歌詞の話も聞きたいな。